活動報告

高校認定試験について❷

2015/08/17

では、認定試験の難易度はどのくらいでしょうか?

 
大前提として、高等認定試験は落とすための試験ではありません。できるだけ多くの人たちに進学や就職の機会を与え、近い将来に社会で活躍できる人たちを増やすことを目的として実施されている試験です。

 

つまり、できるだけ多くの人たちに「合格してもらうための試験」なのです。この点において、他者と競争する高校受験や大学受験とは意味合いが全く異なります。当然、合格者数の上限もありません。

 
そのため、教科ごとの難易度は、それほど高くありません。出題範囲は中学から高校1年のものとなっており、合格ラインは各教科100点満点で約40点程度と言われています。

 
では、試験に合格するために、どのような勉強をすれば良いのでしょうか?

 
ある程度の知識がある方の場合、最初に、過去問を一通り解いてみることをお薦めします。

 
次に、過去問が半分も解けず、難しいと感じた教科があれば、その教科を優先して基礎から勉強することが近道だと思われます。

 
一方で、基本から始める方は、教科書や参考書を開きながら、順番に過去問を解いていくことをお薦めします。

 
大切なのは、分からない問題にこだわらず、解ける問題を増やしていくことです。前述したように、合格するために100点満点で40点ぐらいを取れればいいからです。

 
毎回、教科ごとの出題形式や難易度は、あまり変わらない傾向があります。そのため、多くの過去問で勉強することによって、どのくらい勉強すればよいかや、試験の難易度を肌で感じることが重要になるでしょう。

 

高校認定試験について❶

2015/08/10

高校認定試験とは、さまざまな事情で高校を卒業できなかった人の勉強の成果を適切に評価し、高校を卒業した人と同程度の学力があるかどうかを認定するための試験です。

 
この試験に合格することによって、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。

 

また、高校を卒業した人と同程度の学力があると認定され、就職、資格試験等に活用することができます。

 
ただ、高校を卒業したと認められるわけではないので、試験に合格した後に、大学・短大・専門学校などに進学しなければ、最終学歴は中卒となります。

 
では、どのような人が高校認定試験を受験するのでしょうか。

 
例えば、高校を中退してしまったが大学や短大などに進学したい人、中卒で社会人になったが再就職する際に学歴を必要としている人、などです。

 
また、高校進学後に不登校になった人が、数年間経過した後に受験する場合もあります。

 
共通して言えることは、次のステージへ進むために受験するという事です。
次回へ続く。

「親の会」について

2015/08/03

子供が学校へ行かなくなった時、親御さんにとって大きな味方になってくれる場所の一つが「親の会」です。「親の会」は全国各地にあり、石川県内においてもいくつかあります。

 
親御さんにとってメリットの一つは、「話をじっくり聴いてもらえる、共感してもらえる」ということです。

 

第三者に話を聴いてもらえることで、親御さん自身の気持ちに余裕が生まれ、子供に対する接し方にもゆとりが出てきます。

 
子供に対するゆとりは、子供の話をしっかり聴いて、共感できることに繋がります。

 
例えば、親の会に月に一度参加されている、ある親御さんは、不登校に関することだけでなく、仕事に対する不満や家族に関することなど、不登校以外のことも含めて話を聴いてもらうそうです。

 
普段の生活において心の内にためているものを、月に一度はき出しリセットすることは、大切な気分転換にもなるといいます。

 
また、もう一つのメリットは、「これまでの多くの不登校の事例を知ることができる」ということです。いろいろな方から、多くの事例を聴くことによって、励まされ、焦る気持ちは緩和されるでしょう。

 
不登校がいつまで続くのか、いつ頃終わるのかを予想することは、非常に難しいです。そのため、親御さんの気持ちは、時に大変不安定な状態になることがあります。

 
そんな時に、「親の会」を訪れることは、とても大きな助けになるはずです。

 

親御さんからの質問❷

2015/07/28

〈質問〉

学校へ行かなくなって一週間の子供がいます。最初は「お腹が痛い」と言うので、休ませて様子を見ていたのですが、数日間休んでも学校へ行こうとはしませんでした。一日中、家でゲームをしたり、アニメを見て過ごしています。これ以上休むと、ますます学校へ行きづらくなるのでは、と非常に心配です。無理やりにでも行かせたほうが、良いのでしょうか?

 

 

〈返答〉
しばらく学校を休ませてあげてください。無理やり学校へ行かそうとすると、多くの場合において、状況がますます悪い方向へ向かっています。

 
では、「いつまで休めばいいのか?」ということになりますと、生徒さんによって様々です。十分に休んでエネルギーが蓄えられた時に、徐々に自分から動き出し始めることが多いです。

 
「学校へ行かなければならない」ということは、子供自身が一番よく分かっています。そして、本人が一番苦しんでいます。

 

不登校において最大の問題は、そのような孤独で辛い状況にいる子供の気持ちに、誰も寄り添わないことです。勉強が遅れることや、集団生活ができなくなることではありません。

 

まずは、そのことを理解して、苦しんでいる子供の気持ちに共感することが大切です。「辛かったら学校を休んでもいいんだよ」と心から伝えることは、最も効果的な共感になります。

 
できることならば、不登校になる前段階で、そのような共感を子供に対してすることが、状況を良い方向へ向かわせる手助けとなるはずです。

 
また、一日中ゲームやアニメに没頭してしまうのは、それをすることによって、苦しみから離れて何も考えなくていい時間をつくれるからです。子供にとっては、自分自身を守るための、ある種の自己防衛です。

 

「何も考えなくてすむなら、かろうじて今を生きられる」

ある不登校の生徒の言葉です。

 

一方で、私たち大人でも、何か苦しいことがあった時は、あえて仕事に没頭したり、時にはアルコールを飲んだりすることで気を紛らわせたりすることもあるかもしれません。

 

今、周囲の大人に求められるのは、「子供の外見上には見えない、内面にある苦しみを想像する力」ではないでしょうか。

 

 

 

クラビズムに掲載されました!

2015/07/21

 

7月20日発売の、クラビズム2015年8月号に「家庭教師のプロフェッショナル」として掲載されました!

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親御さんからの質問

2015/07/20

〈質問〉

不登校になっている中学生の子供がおります。子供と接する時に、「出来るだけ共感をしよう、褒めよう」と心がけているのですが、普段からイライラすることが多くて思うようにできません。イライラの原因は、職場での人間関係のストレスなどもあるかと思います。そのうえ、子供に対して思うように共感できない自分にもイライラしてしまい、悪循環になっています。どうすればいいのでしょうか?

 

 

 

〈返答〉

職場での人間関係は、さぞかし大変だろうと思います。本当に毎日お疲れ様です。そして、親御さんの「共感をしよう、褒めよう」の心がけは、とても素晴らしいです。

 
ストレスによるイライラは、人間であれば誰にでもあるでしょう。問題は、それをどのように解消していくかだと思います。ストレスの解消方法は人によって様々なものがあります。

 

まず、「親御さん御自身が、誰かによって十分な共感を得ていないと、子供に対しても共感できない、共感する余裕を持てない」という事実があります。したがって、ここでは「誰かに共感してもらう」という点に重きを置いて、二つの方法をあげたいと思います。

 

一つは、友達とおしゃべりをすることです。聴き上手な友達に、話をできるだけ聴いてもらうことは、十分に共感してもらうことになります。会って話すことが難しければ、電話でもOKです。

 

もう一つは、「不登校の親の会」に出向き、話を聴いてもらうことです。過去に不登校の子供に接した方たちに、親身に話を聴いてもらい共感を得ることは、とても有効でしょう。

 
もし、「初対面で、複数の人達の前で話すのはちょっと。。。」というのであれば、一対一で会ってお話することをお薦めします。(詳しくはホームページ「私たちの取り組み」をご覧ください)

 
子供に共感したり、褒めたりすることは大切ですが、毎日にこだわる必要はないと思います。できる時に少しずつ共感することを心がけてください。

子供が学校へ行かなくなったら❸

2015/07/13

もう一つの根拠として、「学校へ行かなくていいよ」を心からはっきり言い切ることは、苦しんでいる子供にとっての「お守り」になる、ということです。

 

不登校になった子供は、「学校へ行かなければいけない」と十分に理解しているからこそ苦しみ悩んでいます。

 

過去に不登校を経験した多くの人たちは、「みんなが当たり前に出来ていることが出来ないのは自分に原因があるし、学校に行けないのは自分が悪いと感じていた」と話しています。

 
そんな状況で、親に厳しい言葉を浴びせられ、追い打ちをかけられたとしたらどうでしょうか?

 
苦しんでいる子供をさらに追い詰め、「自分は大切な存在ではないんだ」と、自己肯定感を低めてしまいます。

 
一方で、そんな苦しい状況で、「学校へ行かなくていいよ」という心からの言葉がけは、子供に対する最大級の共感になり、自己肯定感を高める言葉がけになります。

 
例えば、毎日学校へ通うことが苦しそうな子供に、「辛かったら学校へ行かなくてもいいよ」と言葉がけしたとします。

 
言葉がけされた子供にとって、「自分は大切な存在なんだ。いざという時は共感してくれる家族がいるから大丈夫だ」と、安心感や余裕が生まれます。

 
その安心感や余裕は、今後不登校になる可能性を低めたり、今までの疲弊した心の回復を助けてくれます。

 
したがって、「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切ることは、子供にとって大切な「よりどころ」になり、「お守り」として子供を不安や苦しみから守る効果があると思います。

 

子供が学校へ行かなくなったら❷

2015/07/06

親が「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切るためには、親自身がその根拠を持っていなくてはなりません。

 
その根拠として、第一に、不登校になった時は学校へ行くことを急かすよりも、まずは子供の心の平穏を取り戻し、心身の健康を取り戻すほうが、結局は不登校の解決を早めることにつながるということです。

 

家でゲームをしたり、マンガを読んだりしている子供の姿を見ると、「十分健康に見えるし、学校ぐらい行けるでしょ」と考える親も多くいるかもしれません。

 

しかし、彼らがそれらをするには理由があります。

 

過去に不登校を経験した多くの人たちが、「ゲームだったりマンガだったり、何かをすることによって、何も考えなくていい時間をつくることができる」と話します。

 

つまり、彼らはゲームやマンガに意識を向けることによって、心が疲弊し非常に辛く厳しい状況から、なんとか生きていける状況へと変えようと努めているのです。

 

「何も考えなくてすむならば、かろうじて“いま”を生きられる」

 
親や周囲の人間はそのことを理解し、まずは子供の心の健康を回復させることを最優先に考えて頂きたいです。

 

次回へ続きます。

子供が学校へ行かなくなったら❶

2015/06/29

病気以外で子供が学校を休む日が多くなったら、どのように対処したらいいでしょうか?

 
不登校だった生徒や、その親の多くの体験談をもとに言えることは、いかに子供の気持ちに寄り添うか、共感するかということです。

 
子供が不登校になった時に、多くの親が最初に問題だと思うことは、「勉強が遅れてしまう」や「学校生活に参加できなくなるということは、将来、社会生活をおくれなくなってしまう」です。

 
そうではなく、不登校であることの一番の問題は、「子供が抱える辛い痛みが誰にも共感されず、孤独に苦しんでいること」だと思います。

 
一番身近な家族が子供に共感できないのであれば、誰が共感できるというのでしょうか。

 

子供に共感するための第一歩として、親が「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切ることです。

 
心からはっきり言い切るというのは、親がなんとなく「学校に行かなくてもいいよ」と言っていても、「本当は学校に行ってほしいと思っているくせに」と、子供はどこかで察知します。

 
だからこそ、本気の「学校へ行かなくていいよ」が大切になります。

 
そして、それを伝えること自体が「子供の辛い痛みに共感する」ということになるのです。

新法制定は「不登校を救う希望の光」となるか❷

2015/06/22

一方で、今後課題になる点は何でしょうか?

 
「個別学習計画」について考えてみます。

 
新法が制定され、学校以外での学習が認められれば、「早く学校に復帰しなければならない」という圧力から解放されます。そういう意味では、子供や親にとって以前よりも焦りや不安が軽減されるかもしれません。

 
しかし、もし「個別学習計画」を作成して、それを実行する人しない人で差が生まれ、中学卒業や高校受験資格において有利不利が発生するとなったらどうでしょう。これまでとは違う圧力になるかもしれません。

 
「早く学校に復帰しなければならない」から「早く個別学習計画を作成して実行しなければならない」の圧力に変わり、結局これまでと同じように、焦りや不安が発生する可能性があります。

 

やっとの思いで学校から逃れてきて、相当に心が疲れている子供もいるはずです。

 

休む暇を与えられず、急かすように周囲から「個別学習計画」を作成するように言われたら、すでに苦しんでいる子供に追い打ちを与えるようなことになりかねません。

 
だからこそ、心が疲れている子供達の目線に立ち、彼らの痛みに十分な共感がなされた新法であってもらいたいです。

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