通学できなくなったら。。

通学できなくなったら。。❻

2019/06/03

ある程度回復すれば、徐々に今後について考えることができます。

 

選択肢に関しては、「学校復帰の選択」だけにこだわらず、最寄りの適応指導教室、フリースクールなどの居場所を選択に入れて考えるのが良いでしょう。

 

重要なのは、早期の学校復帰を意識し過ぎず、「近い将来の自立に向けて、どのようにステップを踏んでいくか?」という観点で考えることです。

 

最後に、高校受験に関して触れておきます。通学できなくなった後、出席日数について気にされる親御さんは少なくありません。

 

実際のところ、出願倍率の高い公立高校においては、3月に実施される学力検査が高得点だったとしても、出席日数(特に中3の時)の状況を合否の判断材料とされる可能性は高いです。

 

さらに言うと、人気の公立高校のいくつかでは、別室登校やフリースクールへの通学で出席日数が十分でも、実力テストや定期テストの成績の有無、体育などの成績(授業に出ていないと評価が低い)といった内申点からも総合的に判断されるようです。(過去にそのような事例がいくつかありました)

 

一方で、出願倍率がそれほど高くない公立高校に加えて、私立高校の多くは、それほど出席日数などの内申点を重要視していません。

 

したがって、中学時代にほとんど通学できていなくても、学力検査で合格基準点を満たせば合格できるようです。事実、みんなの家庭教師の生徒たちが毎年合格し、入学しています。

 

例えば、現在不登校である中3の生徒で、近い将来に大学などの進学を考えている場合、まずは確実に私立の進学校に専願で入学するのも一つの方法です。

 

『来年の高校受験までは1年もないけど、大学受験までは4年近い時間がある!』

 

そんなふうに考えて、高校入学以降、少しずつ学力をつけて大学進学を実現した生徒も多くいます。

 

やはりここでも重要なのは、「近い将来の進学に向けて、どのようにステップを踏んでいくか?」という観点で考えることではないでしょうか。

 

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通学できなくなったら。。❺

2019/05/31

小・中学生が通学できなくなった時、登校を無理強いすることだけは避けて頂きたいです。

 

敏感な子どもにとって、一度でも無理強いされると、それ以降は学校という場所に余計に通いづらくなり、クラスが変わり学校が変わっても、通学することに躊躇を感じる傾向があります。

 

通学できなくなった直後の対応については、子どもから話をしてくれるようであれば、まずは丁寧に話を聴くこと。ここが大切です。

 

その際、途中で意見したくなっても話を遮らずに、頷きながら最後まで聴いてください。

 

一方で、話を全くしてくれないようであれば、しばらくそっとしておいたほうが良いでしょう。その後、タイミングを見て声をかけ、反応を伺うのも一つです。

 

ここでも無理強いは逆効果ですので、態度が軟化し話をしてくれるまで、焦らず様子を見ながら待つ姿勢が基本です。

 

親御さんによっては、「もう何日も休んでいるのに。。一体いつまで待てば。。」という気持ちが募るかもしれません。

 

また、「苦しくても乗り越えていかないと。辛いのはあなただけじゃないんだし、みんな頑張っているんだから」と言いたくなるかもしれません。

 

しかし、それを表情に出してしまうと、敏感で真面目な子どもであればなおさら、それを察して期待に応えようと無理をしてしまいます。

 

「無理をして、再び苦しくなり通学できなくなる。。」というような悪循環が起こると、自信を失い、結果的に長引いてしまうケースをしばしば見かけます。

 

したがって、心がしんどい状態の人には、「頑張れ」や「乗り越えろ」という種類の言葉がけを安易に使うのではなく、期限を設けず休ませることが必要ではないでしょうか。

 

期限を設けてしまうと、「その期限までに何とか回復しなければ」と意識し過ぎることで、かえって心が休まらない人もいます。

 

続く。

 

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通学できなくなったら。。❹

2019/05/30

次に「子どもへの具体的な対応」について。

 

ゴールデンウィーク明けに通学できなくなった場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

 

まず、高校生の場合は、出席日数が学校によって定める基準に満たないようであれば、進級できなくなってしまいます。

 

とは言っても、まだ5月ですので、6月いっぱいは生徒の様子を見る必要があります。

 

当然ながら、通学できなくて一番苦しんでいるのは生徒自身です。急かさず、あれこれ言わずに、そっと見守ることが重要です。

 

そして、全日制高校の多くは、6月下旬に定期テストがありますので、そのテスト期間に通学できるかどうかが一つの目安になります。

 

もし、6月の定期テストを過ぎて7月に入っても通学できないようであれば、生徒本人と今後について考え、決める必要があります。

 

選択肢として一つは、現在の高校での卒業にこだわるのであれば、とりあえず9月以降も通学を試みること。それでも難しいようなら、とりあえず今年度は休学をして、来年度の再チャレンジを目指すこと。

 

もう一つは、夏休み中に手続きをして、9月以降は通信制高校の後期に転入し、早い時期での高校卒業を目指すこと。

 

その他には、高校を卒業することにこだわらず、高校認定試験を受験して合格し、近い将来の専門学校や大学受験への進学を目指すこと。

 

いずれにしても、生徒本人と親御さんでしっかり話し合い、最終的には生徒自身で決断することが一番大切です。

 

続く。

 

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通学できなくなったら。。❸

2019/05/29

「不安や恐れ」に対応するためには、定期的にそれらを吐露して聴いてもらう場所、正しい情報を手に入れるための場所が必要です。

 

みんなの家庭教師のホームページにも毎週お伝えしていますが、金沢市内を中心に相談機関をはじめとして、各地に親の会などがあり、「不安や恐れ」を吐露し聴いてもらう場所はいくつもあります。

 

よくこんな質問を受けます。

「話を聴いてもらう場所はいくつもありますが、どこへ行けばいいのか分かりません」

 

確かに、親の会も含めて相談する場所がいくつもあり、どこに行くのが一番良いか決めることは簡単ではないでしょう。

 

実際、それぞれの場所に特徴があり、親御さんの状況に応じて通いやすい場所があると思います。

 

もしどこに行けば良いか迷われた時は、みんなの家庭教師にメールをくださればアドバイスさせて頂きます。

 

もちろん、みんなの家庭教師でも相談を承っております。一対一で丁寧に話を伺ったり、具体的な過去の事例や受験情報、進学する学校の情報なども提供しております。

 

このように、普段抱えている「不安や恐れ」を定期的に吐露し聴いてもらうこと、正しい情報を得ることが大切です。

 

そうすることによって「不安や恐れ」が和らぎ、子どもにも適切に接しやくなるのではないでしょうか。

 

続く。

 

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通学できなくなったら。。❷

2019/05/26

最初に、「親御さんの感情の部分」について。

 

ここでは、「不安や恐れ」と「怒り」の繋がりについて考えてみます。

 

例えば、運転中に他のドライバーに急な割り込みをされ、大変危険な目にあったとしましょう。

 

そんな時、クラクションを鳴らしたくなるぐらいに「怒り」の感情が出てきても不思議ではありません。

 

しかし、この「怒り」の感情は、急な割り込みで危険な目にあったために感じた「不安や恐れ」が生み出しているとも考えられます。

 

つまり、「不安や恐れ」が第一次の感情だとすると、「怒り」が第二次の感情になります。

 

したがって、「感情的にならないようにと思っても、子どもと話しているうちについ感情的になって話してしまう」のは、「怒り」に発展する「不安や恐れ」があるからだと考えられます。

 

まずは、その「不安や恐れ」が何であるかを明確にして理解したうえで、それらが解消されるか、幾分和らげば、「怒り」の質はずいぶん変わってくるのではないでしょうか。

 

一般的に、通学できなくなった場合に感じる不安や恐れは、「いつまで通学できない状態なのか」「勉強が遅れてしまう」「進学はできるのか」「就職はできるのか」「運動不足などで体調面はどうなるか」「将来が見えない」「兄弟に悪い影響を与えそう」「ゲームや動画の時間が増えてしまう」「ひきこもりになるのでは」「祖父母や親戚の目が気になる」「昼夜逆転しないか」など、いろいろあると思われます。

 

次に、これらの「不安や恐れ」にどのように対応すれば良いでしょうか?

 

続く。

 

 

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通学できなくなったら。。❶

2019/05/25

今週に入り、「最近、子どもが通学しなくなったんです。。」という種類のメールやお電話を数件頂きました。

 

原因だと思われる理由は、クラスでの人間関係や、新学期以降からゴールデンウィーク明けにかけて、新しい環境に馴染めなかったことなどが挙げられます。

 

学校に行けなくなる方全員が、「とても敏感な生徒」というわけではありませんが、ここでは「とても敏感な生徒」として対応の仕方を考えていきたいと思います。

 

第一に意識を傾けるべき点は、学校に通学できなくなって誰より落ちこんでいるのは『子ども自身』だということです。

 

子どもが学校に行けなくなると、親御さんにとっては、子どもの気持ちよりも出席日数や進級、勉強の遅れなどに意識が向きがちになってしまいます。

 

確かに、親御さんの気持ちはよく理解できますし、現実的に出席日数などについて考えることも大切です。

 

ただ、それらに注意を傾け過ぎて感情的になってしまうと、親子関係の悪化に繋がります。

 

子どもに対する声が少し大きくなったり、声のトーンがやや変化するだけでも、とても敏感な子どもはそれに反応し、心を閉ざすことも多いのです。

 

では、彼らに対してどのように対応すれば良いのでしょうか?

 

「親御さんの気持ちの部分」と「子どもへの具体的な対応」の二つに分けて考えてみます。

 

続く。

 

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