子供が学校へ行かなくなったら

子供が学校へ行かなくなったら❸

2015/07/13

もう一つの根拠として、「学校へ行かなくていいよ」を心からはっきり言い切ることは、苦しんでいる子供にとっての「お守り」になる、ということです。

 

不登校になった子供は、「学校へ行かなければいけない」と十分に理解しているからこそ苦しみ悩んでいます。

 

過去に不登校を経験した多くの人たちは、「みんなが当たり前に出来ていることが出来ないのは自分に原因があるし、学校に行けないのは自分が悪いと感じていた」と話しています。

 
そんな状況で、親に厳しい言葉を浴びせられ、追い打ちをかけられたとしたらどうでしょうか?

 
苦しんでいる子供をさらに追い詰め、「自分は大切な存在ではないんだ」と、自己肯定感を低めてしまいます。

 
一方で、そんな苦しい状況で、「学校へ行かなくていいよ」という心からの言葉がけは、子供に対する最大級の共感になり、自己肯定感を高める言葉がけになります。

 
例えば、毎日学校へ通うことが苦しそうな子供に、「辛かったら学校へ行かなくてもいいよ」と言葉がけしたとします。

 
言葉がけされた子供にとって、「自分は大切な存在なんだ。いざという時は共感してくれる家族がいるから大丈夫だ」と、安心感や余裕が生まれます。

 
その安心感や余裕は、今後不登校になる可能性を低めたり、今までの疲弊した心の回復を助けてくれます。

 
したがって、「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切ることは、子供にとって大切な「よりどころ」になり、「お守り」として子供を不安や苦しみから守る効果があると思います。

 

子供が学校へ行かなくなったら❷

2015/07/06

親が「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切るためには、親自身がその根拠を持っていなくてはなりません。

 
その根拠として、第一に、不登校になった時は学校へ行くことを急かすよりも、まずは子供の心の平穏を取り戻し、心身の健康を取り戻すほうが、結局は不登校の解決を早めることにつながるということです。

 

家でゲームをしたり、マンガを読んだりしている子供の姿を見ると、「十分健康に見えるし、学校ぐらい行けるでしょ」と考える親も多くいるかもしれません。

 

しかし、彼らがそれらをするには理由があります。

 

過去に不登校を経験した多くの人たちが、「ゲームだったりマンガだったり、何かをすることによって、何も考えなくていい時間をつくることができる」と話します。

 

つまり、彼らはゲームやマンガに意識を向けることによって、心が疲弊し非常に辛く厳しい状況から、なんとか生きていける状況へと変えようと努めているのです。

 

「何も考えなくてすむならば、かろうじて“いま”を生きられる」

 
親や周囲の人間はそのことを理解し、まずは子供の心の健康を回復させることを最優先に考えて頂きたいです。

 

次回へ続きます。

子供が学校へ行かなくなったら❶

2015/06/29

病気以外で子供が学校を休む日が多くなったら、どのように対処したらいいでしょうか?

 
不登校だった生徒や、その親の多くの体験談をもとに言えることは、いかに子供の気持ちに寄り添うか、共感するかということです。

 
子供が不登校になった時に、多くの親が最初に問題だと思うことは、「勉強が遅れてしまう」や「学校生活に参加できなくなるということは、将来、社会生活をおくれなくなってしまう」です。

 
そうではなく、不登校であることの一番の問題は、「子供が抱える辛い痛みが誰にも共感されず、孤独に苦しんでいること」だと思います。

 
一番身近な家族が子供に共感できないのであれば、誰が共感できるというのでしょうか。

 

子供に共感するための第一歩として、親が「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切ることです。

 
心からはっきり言い切るというのは、親がなんとなく「学校に行かなくてもいいよ」と言っていても、「本当は学校に行ってほしいと思っているくせに」と、子供はどこかで察知します。

 
だからこそ、本気の「学校へ行かなくていいよ」が大切になります。

 
そして、それを伝えること自体が「子供の辛い痛みに共感する」ということになるのです。

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