2015年4月の活動報告

不登校とHSP❶

2015/04/30

HSP

聞きなれない単語かもしれませんが、不登校について知るために、HSPを理解する必要があります。不登校になる多くの人たちが、HSPである可能性があるからです。

 

HSP(Highly Sensitive Person)とは、「とても感受性が強く敏感な人」という意味です。

 

これは、「気質」であり「病気」ではありません。例えるならば、血液型の一つのように、人間をタイプ別に表すものです。

 

全人口の約5人〜6人に1人、約15〜20%の割合で存在すると言われていますので、きっと身近にHSPの人はいると思います。あるいは、あなた自身がHSPかもしれません。

 

HSPは、HSPでない人(非HSP)より多くのことを感じ取ることができますが、感受性が強すぎるために、傷つきやすく繊細な部分があります。 傷つきやすく繊細というと、内向的と思われるかもしれません。

 

しかし、HSP=内向的というわけではありません。内向的かどうかは、生まれた後の育った環境によって決まるもので、生まれつきのものではありません。外向的なHSPの人も存在します。

 

HSPの脳は、より深く情報を処理し考えることができるので、とても些細なことに気がつきます。 そのため、身の周りで発生する様々な物事に対して、非HSPよりも大きく驚いたり、すぐに圧倒されてしまう傾向があります。

 

学校という場所で考えると、少人数から多人数のクラスに変わった時に混乱したり、授業の進むスピードについていけなかったり、競争させられることで緊張し実力を発揮できなかったりと、HSPは非HSPよりも多くのストレスを感じてしまいます。

 

それゆえ、長期間にわたって学校に通うことが苦痛になりやすく、休みたいと思う日が多くなります。 休みがちになった時に、家族や周囲の人たちから学校へ行けないことを責められると、自己肯定感が低くなってしまいます。

 

自己肯定感が低くなると、学校に通うことから、さらに遠ざかってしまうという悪循環になります。

 

 

次回へ続きます。

 

不登校を少なくするために❸

2015/04/23

前回に引き続き、幼少期からの自己肯定感を高めるために、どうすればよいでしょうか?

 

もう一つは、「子供の話に耳を傾け、気持ちに共感すること」です。

 

嬉しい時も悲しい時も、子供の気持ちに寄り添い、しっかり話に耳を傾けることで、「自分は愛されているんだ、大切にされているんだ」と自分の存在に自信を持ち、自己肯定感が高まります。

 

子供は、ある程度の年齢に達すると、「自立する時期」にさしかかります。親より友達に悩みを打ちあけたり、気持ちを共感してもらったりする機会が多くなります。

 

しかし、子供が親に何かを相談した時、子供の気持ちに共感しながら話を聴くことを怠ると、自立とは違う意味で子供が離れてしまいます。

 

例えば、子供が進路の相談をしてきた時に、子供の気持ちに共感せず、「その場合は〜すべきだ」「こうしたほうが、お前の将来のためだ」と言ったとしたらどうでしょうか?

 

親の立場から、大切な子供のためを思って、そのように言ったのかもしれません。

 

ところが、そう言ったことで子供の決断を尊重しなかったことになり、子供としては「親に相談してもムリ」となってしまいます。その結果、「うちの子供は、何も話してくれない」と嘆く原因の一つにつながります。

 

一方で、子供の話に耳を傾け、気持ちに共感することは、「いざという時は親に相談すればいいんだ」という安心感を子供に与えます。それは、自己肯定感を高め、直面するであろう不安や恐れを和らげるために、大いに貢献するでしょう。

 

 

 

不登校を少なくするために、そして幼少期から自己肯定感を高めるために、

◎「〜してくれてありがとう」を積極的に使うこと
◎子供の話に耳を傾け、気持ちに共感すること

 

 

次回は、HSP(highly sensitive person)について紹介します。

 

不登校を少なくするために❷

2015/04/15

一般的に、不登校になりやすい生徒には、いくつかの特徴があります。

 

◎言葉に敏感である
◎感受性が強い
◎繊細で傷つきやすい

 
これらの特徴は、もともとの気質に加え、幼少期の環境によってその傾向が強まり、自己肯定感が低くなりやすいと言われています。(最近では、これらの特徴を持つ人を、HSPやHSCという言葉で表現することもあります。これについては、近いうちに改めて説明します)

 
自己肯定感とは、「自分は誰かに必要とされている人間なんだ、愛されている存在なんだ」と、自分の良い部分はもちろん、自分のダメな部分、恥ずかしいと感じる部分の全てをひっくるめて肯定できる感情のことを言います。

 
自己肯定感が低いことによって、不安や恐れに遭遇した時、激しく落ち込むことが多くなります。その結果、学校へ通い続けようとする気持ちを保つことが難しくなり、不登校になる可能性が高くなります。

 
したがって、幼少期から自己肯定感を高めていく必要があります。

 

 
では、どのようにして子供の自己肯定感を高めればよいでしょうか?

 
一つは、「〜してくれてありがとう」を積極的に使うことです。

 

「ありがとう」という言葉は、お礼の言葉であると同時に、相手の存在価値を高めてくれる言葉です。「ありがとう」を言われる回数に比例して、「誰かの役に立った」と感じる充実感が高くなります。それが自己肯定感を高めることにつながります。

 

 
次回は、その他の方法について説明します。

不登校を少なくするために❶

2015/04/07

「不登校」という問題には、様々な原因が内在しています。

 

たった一つの原因だけで不登校になることは少ないです。

 

例えば、「勉強が分からないから」という一つの理由だけで不登校になるケースはほとんどありません。あるいは、「友達との関係が悪化したから」という理由だけで不登校になるケースも少ないです。

 
もし、それらの理由だけで不登校になるのであれば、もっと多くの生徒が不登校になっているでしょう。実際は、それらの問題に付随した悩みが複雑に絡み合って、結果的に不登校に結びつくケースがほとんどです。

 

仮に、「友達との関係が悪化してしまった」という悩みを抱えている生徒がいるとします。周囲に、その悩みをうちあける人間が誰もおらず、長期間にわたって、一人で悩み苦しみ続けることになったとしたら、学校へ行かなくなる可能性が出てきます。

 
一方で、友達であれ家族であれ、その抱えている悩みを真剣に聴いてくれる相手が周囲にいたならば、学校へ行かなくなる可能性は相対的に低くなるでしょう。

 

つまり、「友達との関係が悪化したこと」が本当の問題ではなく、「自分の悩みに耳を傾けてくれる存在、自分の気持ちに共感してくれる存在がいないこと」が一番の問題だともいえます。

 

 

とはいえ、同じような悩みを抱えていても、不登校になる生徒、ならない生徒が現実に存在します。

 
なぜでしょうか?

 
それは、不登校になりやすい生徒と、なりにくい生徒がいるからです。

 

 

次回は、不登校になりやすい方の特徴をあげ、その対策も含めて説明します。

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