書籍案内

書籍案内『受いれる』

2019/06/05

詩人だった加島祥造氏が、90歳を迎えた時に書かれた詩集です。

 

想定外の苦難や悲しみが襲ってくることも多いのが人生。まず自分を受いれ、悲しみを受いれ、恐れを受いれ、あらゆる変化を受いれていくと、他者や他者の変化も受いれられ、自由で柔軟な人生を生きることができる。苦しみは消えることはなくても、それ以上大きくはならないーー。

 

そうは言っても、受けいれるのは何事も難しいし、時間がかかりそうです。

 

それでも、じっくりと読むことで、心にしみわたるような安心感を感じさせてくれます。

 

加島氏の綴る優しい言葉たちが、何かで立ち止まり、つまづいたりしている人を励ましてくれるのではないでしょうか。

 

心の洗濯に。

 

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書籍案内『ひと』

2019/04/30

先日、ある生徒からお借りしてイッキ読みしました。

 

『ひと』は、父と母が相次いで亡くなり、大学を中退してアルバイトで自活し始めた青年の成長物語。2019年の本屋大賞第2位受賞として、今話題の作品です。

 

いわゆるエンターテイメントを期待して読んでしまうと、派手な展開はなく、物足りないと感じてしまう方もいるかもしれません。

 

個人的には、じっくりゆっくりと満たされていく気持ちになりました。後味の良い、爽やかな読後感。

 

また、会話文が多く文章も短めでサクサクと読みやすいため、夏休みの読書感想文向けとして、本が苦手な方にもオススメです。

 

『ひと』によってどんなに心が傷ついても、それでもやはり『ひと』によって癒される主人公。同時に、周囲に流されず自分で決断する『ひと』に成長を遂げていく主人公。

 

不登校関連の書籍ではありませんが、この作品から勇気をもらえるのではないでしょうか。

 

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書籍案内『HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子』

2018/07/05

先月6月に発売された、子育てハッピーシリーズの最新刊は『HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子』です。

 

HSCを持つ親御さんに向けて、HSCの知識と、子育てのスキルをまとめた、初の「マンガで分かる」HSC解説本です。

 

この本を読んだ友人が、「この本に書いてあることは腑に落ちることばかりだった。息子がHSCと分かったことで、自分自身がとても楽になり、息子が愛おしくなった」と感想を述べていました。

 

個人的には、『HSCは「治す」ものではありません。「自分らしさ」を伸ばしていきましょう』という部分に共感を覚えました。

 

今までの子育てハッピーアドバイスと同様に、イラストが多くとても読みやすいです。忙しい親御さんにもオススメの一冊です!

 

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書籍案内『かがみの孤城』

2018/05/20

今回の書籍案内は『かがみの孤城』です。

 

今年の本屋大賞を受賞した作品だけあって、読んだ多くの人の琴線に触れうる作品です。

 

主人公は、ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしている中学一年のこころ。その主人公こころを通して描く、作者の繊細な心理描写は、大人が「とても敏感な子どもたち」の内面を想像する上で非常に参考になります。

 

また、この作品は500ページを超える長編ですが、子どもでも難しく感じることなく読める内容になっています。

 

その辺りからは、生きづらさを感じている子ども達が手に取ることを強く意識して書いた作品にも感じました。

 

「大丈夫。大丈夫だから、大人になって」
作者の思いは、主人公こころの思いときっと等しいのでしょう。

 

個人的には、「誰かの『現在』は、誰かの『未来』へ繋がっている」ということを、この作品を読みながら強く意識させられました。

 

読んだ後に、周囲に薦めたくなる一冊です!

 

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書籍案内『不登校を乗り越えるために〜親として何ができるか〜』

2017/09/25

今回は『不登校を乗り越えるために〜親として何ができるか〜』をご紹介します。

 

著者は、金沢星稜大学人間科学部の高賢一教授です。高教授は、30年間、子ども・親・教員のカウンセリングを続け、不登校だけでも3000件を超える事例に向き合ってきた方で、学校心理士スーパーバイザーでもあります。

 

加えて、不登校の親の会「やすらぎの会」でもアドバイザーとして、長きにわたり不登校問題に向き合ってこられました。

 

本作は、昨年に書かれた『不登校だっていいじゃないか!』に引き続いての著書になります。前作は、Q&A方式の内容で、どこからでも読める一冊でした。

 

今作は、不登校のとらえ方、不登校を乗り越えるまでのプロセスと対応、不登校を乗り越えるための具体策、不登校を未然に防ぐ方策、不登校問題の具体的事例などが充実しています。

 

実用的かつ系統的な内容になっている今作は、著者の30年にもわたる不登校問題への取り組みにおいて、集大成とも言える内容になったのではないでしょうか。

 

すでに、北陸三県の各書店で販売されていますし、アマゾンで購入することも可能となったそうです。

 

不登校で悩まれている親御さんや、多くの教育関係者にぜひ読んで頂きたい一冊です。

 

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書籍案内『敏感にもほどがある』

2017/08/16

今回は「敏感にもほどがある」をご紹介します。

 

著者である高橋さんは、ご自身がHSPであり、その日常を分かりやすい四コマまんがと、イラスト(本人作)で紹介しています。

 

実際に読んでみると、「自分と同じような感覚を持った人間っているんだな」と思えて、気持ちが明るくなります。

 

ある読者の感想です。
「この本を読んだ後、とても敏感な自分を自己否定をすることが少なくなった」

「苦しんでいた学生時代に知っていたらなぁ」

 

四コマ漫画で、文章も難しくないのでさらりと気軽に読むことができます。

 

HSPを知ったばかりの方や、HSPをもっと理解したい方にとってもお薦めの一冊です。

 

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書籍案内『子どもの敏感さに困ったら読む本 : 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方』

2017/07/24

今回ご紹介する「子どもの敏感さに困ったら読む本:児童精神科医が教えるHSCとの関わり方」は敏感な子どもをテーマに、長沼睦雄医師によって執筆されました。

 

HSP関連の書籍は少しずつ出ている一方で、HSCに関する書籍は、ほとんど出ておらず、HSCに対する理解はまだまだというのが現状です。

 

「大人になってから過去の傷を癒やそうとするよりも 、子ども時代に問題を防ぐほうがはるかに簡単です 」

 

HSPという概念を発表したアーロン博士が言われているように、人一倍敏感な気質が短所として扱われるか、それとも長所として扱われるかは、生育環境によって大きく左右されます。

 

親御さんや学校の先生など、周囲の大人たちがHSCを理解することによって、その気質にいち早く気づき、「その子らしさ」として受けとめてあげることが大切です。

 

HSCを理解する「第一歩」として、ぜひ御一読ください。

 

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書籍案内「『敏感すぎる自分』を好きになれる本」

2017/06/02

先日、みんなの家庭教師が紹介されたNHKの放送の中で出てきた「HSC」という言葉に関心を持たれた方は多いと思います。

 

HSPやHSCについて書かれた書籍は多くありますし、以前ここでも「ひといちばい敏感な子」を御紹介しました。

 

今回は「『敏感すぎる自分』を好きになれる本」を御紹介します。

 

この本を書かれた長沼先生は、日本では数少ないHSPの臨床医であり、17年間にわたってHSPに注目し研究されている方です。

 
この本は、HSPを分かりやすく説明していることに加えて、ただ生きづらいと嘆くのではなく「自分が何に対して敏感なのか?どんな問題を抱えているのか?」を特定し、具体的な対応策を考えることができるよう手助けしてくれます。

 

なんとなく日々しんどい、生きづらいと感じている方に対して、どうすればいいのか、今日からできることを提案してくれる本です。

 

「敏感すぎる気質は生まれ持ったもので変えることはできません。でも、生きづらさは、社会的な価値観や人間関係、生活環境などから生じる後天的なものなのです。そして、後天的なものは、その気になりさえすれば、変えられます。(104ページ)」

 

読み終わった後は、HSPへの理解が深まると同時に、しんどさが薄らぎ、気持ちが前向きになるのではないでしょうか。

 

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書籍案内『中学なんていらない』

2017/04/13

漫画家である青木光恵さんが、不登校になった一人娘の実話をマンガでまとめた作品です。

 

著者の長女が中学1年生のある日、男子生徒からのいじめをきっかけに不登校になってしまうところから始まります。

 
物語は母親目線で書かれており、「あるある」なエピソードで、母親の気持ちを代弁してくれる描写が多いのが特徴です。

 

コミカルな絵と文章で読みやすく、共感する親御さんは多いはずです。

 

子供が不登校になった時、不登校関連の本を読んだり、講演会に参加して知識を得ることも大切ですが、一方で、このようなコミックエッセイを気楽に読んでみるのも良いかもしれません。

 

なお、『不登校の17歳』という続編も最近発売されたようです。

 

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書籍案内『不登校だっていいじゃないか!』

2016/12/08

今回は、『不登校だっていいじゃないか!』をご紹介します。

 

『不登校だっていいじゃないか!』の著者は、金沢星稜大学人間科学部の高賢一教授です。高教授は、30年間、子ども・親・教員のカウンセリングを続け、不登校だけでも3000件を超える事例に向き合ってきた方で、学校心理士スーパーバイザーでもあります。

 

この本のタイトル『不登校だっていいじゃないか!』から、不登校を推奨していると思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

実はそうではなく、「まずは不登校をしっかり受けとめることから、スタートして欲しい」という著者の願いが込められています。

 

不登校をきちんと受けとめることができないと、家族関係や夫婦関係、学校と家庭の関係にも支障をきたすことが多いからです。

 

この本の特徴として、Q&Aの形式で30項目から成る「親としてできる子どもへのサポート30」や、読むと勇気づけられる「悩む親たちへのアドバイス」などがあり、とても分かりやすく、具体的な行動指針となるように編集・制作されています。

 

書籍のサイズも手に取りやすい文庫本サイズとなっており、気軽に読むことができます。

 

社会全体が不登校をしっかり受けとめることができて初めて、不登校の問題は本当の意味で改善へ向かうのかもしれません。

 

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