『いしかわ県民教育文化センター』の通信に掲載されました!

『いしかわ県民教育文化センター』の通信に掲載されました!❷

2016/08/01

実際のところ、学校に行けなくなった子供を早めに学校に戻そうと、無理をさせてしまうケースを多く見かけます。「早めに学校に戻さないと、行かない習慣がついてしまう。初期の対応が重要だ」と大人は考えてしまいます。子供の意思に反して無理に戻せば、疲れは回復せず余計に悪化します。そのため、短期的に学校へ復帰できたように見えても、再び休みがちになり、その後不登校の期間が長引くケースもあります。

 

最も大切なのは、学校への復帰を長期的に考える勇気を持つことです。例えば、中学1年で不登校になった場合、「中学の間は無理させないでおこう」という意識を持つ程度でちょうどいいと思います。親御さんが焦らず余裕を持って接すると、子供は安心できます。安心できれば、ゆっくり休むことができるので、復帰する方向へ向かいやすくなります。

 

17年間の家庭教師を通して、多くの不登校の生徒さんやその親御さんに会いました。そこで感じたことは、不登校で苦しんでいる子供は、不安で「今」をなんとか生きています。一方で、その親や周囲の大人は「将来」を考え、先回りしがちです。この両者の違いが、あらゆる場面で大きなズレを生む原因になっています。

 

したがって、「学校へ行かないと、将来大変よ」といくら不安をあおるような言い方をしても全く効果がなく、むしろ逆効果になる理由がここにあります。先回りせず、〝いまここ〟の子供の気持ちに寄り添い、安心のタネをまく姿勢こそが、長引く不登校・ひきこもりを減らす有効な手立てではないでしょうか?

 

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『いしかわ県民教育文化センター』の通信に掲載されました!❶

2016/07/31

元来、人間はどんなに心身が疲れようが回復し、立ち直る力を持っています。一時的に学校や会社に行けなくなったとしても、十分に心や体を休ませることで、復帰できる力を備えているはずです。

 

ところが、現在日本において、40歳以下のひきこもりは約70万人と推計されています。それ以外の年代を合わせると100万人を超えるそうです。また、小中学校の全生徒数に占める不登校の生徒数の割合も、この十数年間ほとんど変わっていません。文科省が毎年多くの税金を不登校対策のために使っているにもかかわらずです。なぜでしょうか?

 

これまでに出会った20~30代のひきこもりの方に話を伺って気付いたことがあります。それは彼らは何度も繰り返し傷ついているということです。学生時代に何度も強制的に学校に連れて行かれたり、不登校になって以降も幾度となく周囲から理不尽な言葉を浴びせられたことにより、心の傷口が大きくなったのです。学校に行けなくなった直接の原因以外で二次的三次的に傷ついたことによって、十分に癒えないまま時間が過ぎていき、こう着状態になっている現状があります。

 

それを踏まえたうえで、学校に行けなくなった初期段階でどのような対応をとるべきかを考える必要があります。学校に行けない理由を単なる「甘え」と切り捨て、子供を非難し無理に学校に戻そうとすれば、子供にとっての居場所はなくなり、さらに傷口が広がります。

 

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