2016年6月の活動報告

不登校 Q&A

2016/06/10

21.「私の息子は自慢の息子でした。小さい頃から、成績は優秀で、スポーツも陸上の長距離で県大会優勝し、誰からも好かれる存在で生徒会の役員も務めました。もちろん、親にも反抗することはありませんでした。『将来は医者になることが夢』と話していたので、周囲は期待していました。親バカかもしれませんが、どんなことでも真面目に取り組む優秀な息子だったのです。ところが、中学3年の夏休みが終わり、2学期が始まる頃から学校に全く行かなくなったのです。以前のような笑顔も見られず、私たちとも会話をしなくなりました。どうしてこんな状態になってしまったのか全く分からず、ずっと混乱しています。息子にいったい何が起こったのでしょうか?息子をどのように理解すればいいのでしょうか?」

 

 

小さい頃からすべての分野で優秀な息子さんで、周囲から期待されていたんですね。どんなことにも真面目に取り組む、責任感の強い頑張り屋さんだったことを考えると、かなり疲れがたまっていたのだと思います。

 

小さい頃から手がかからず、成長しても反抗しない子供は、確かに周囲からは評判が良く、出した結果に対して、ほめられて育ちます。しかし、周囲からの期待に応え、結果を出し続けようと相当な努力を重ねているので、精神面での疲労がかなり蓄積しています。今は、とにかく休ませるべきです。

 

真面目な性格というのですから、おそらくギリギリまで努力し続けて倒れこんでしまった結果の不登校だと思います。余力のエネルギーは残っていないでしょう。まずは、親御さんとの会話を以前のようにできるまで、心身ともに休ませることが第一です。

 

『せっかく今まで頑張ってきたのに、もったいないよ』『もう少し頑張ってみたらどう?』『あんただったら乗り越えられるよ』などと決して言ってはいけません。『今まで頑張ってきたのに全然認めてくれない。こんなに疲れているのにまだ頑張らせるつもりか』と、さらに落ち込み、親に対して絶望する可能性が高くなります。

 

今、息子さんは、『もはや優秀ではなくなり自慢の息子でなくなった自分に対し、親は今まで通り愛してくれるのだろうか?』と不安に感じているかもしれません。まずは、『これまで本当によく頑張ってきたね』と、息子さんを認めてください。出した【結果】だけではなく、今まで努力してきた【過程】を認めることが大切です。

 

結果を出すことの大切さは否定しません。しかし一方で、結果だけを優先し過ぎると、このように倒れるまで、動けなくなるまでの努力をしてしまいがちになります。

 

今回はたまたま中学3年で不登校になりましたが、高校や大学で不登校になったり、社会人になって会社に行けなくなる方もいらっしゃいます。結果だけでなく、その過程もバランスよく認めてほめることが、安定した持続性のある生き方をするために必要なのです。

 

今後は、これまでできなかった時間の使い方をするのはどうですか?例えば、料理や映画、ゲームや旅行、サイクリングなど一緒に共有して楽しめるものが良いかもしれません。たとえ優等生でなくなっても、普段の生活の中で、親が明るく笑顔で自分に接してくれたら、息子さんは心の底から安心して、ありのままの自分を受け容れることができます。そして、いずれ十分に回復すれば、新しい自分の力で次の一歩を歩き出すでしょう。

 

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イベントのお知らせ

2016/06/09

今週末、6月11日・12日に東京おもちゃショー2016が開催されます。

 

たくさんのおもちゃに触れて、「おもちゃの楽しさ」を体感できるので、子供だけでなく、大人も楽しめます。また、たくさんの体験教室やステージショーも大きな魅力です!

 

ふだんは家で閉じこもりがちの方も、「おもちゃ」の響きで外に出るきっかけになるかもしれません。ご家族で出かけてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

東京おもちゃショー2016

INTERNATIONAL TOKYO TOY SHOW 2016

 

 

【 一般公開(パブリックデー) 】
会期 : 2016/6/11(土)9:00~17:00    
6/12(日)9:00~16:00

 

会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール 東京都江東区有明 3-11-1

 

お問合せ :東京おもちゃショー2016事務局

 

TEL:03-5530-1685

 

受付時間:8:00~18:00
MAIL:toyshow2016@toys.or.jp

 

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『居場所』❷

2016/06/08

親の視点からは、長時間のゲームや動画の視聴こそが、昼夜逆転を引き起こし、不登校の長期化を招くものに見えるかもしれません。「ゲームをしたりアニメの動画を見るエネルギーがあるなら学校へ行けばいいのに」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

 

でも、「エネルギーがあるからゲームをしたり動画を観たりするのではなく、エネルギーがないからゲームや動画でエネルギーを充電している」のです。子供自身にとっては、なくてはならない大切な居場所であり命綱です。

 

まずは、その小さな居場所で充足感を感じ、エネルギーがたまれば、そこを足場にして居場所の数は徐々に増えていきます。部屋からリビング、リビングから公園や友人の家、適応指導教室やフリースクール、ゲームやアニメの世界だけでなく、それ以外にも関心が出てきます。

 

したがって、不登校直後に好きなゲームやアニメを一方的に取り上げられてしまうと、子供にとっての心の拠り所となるべき居場所を失ってしまうことになります。その結果、親に対して反抗し暴れる場合もあれば、家族とほとんど会話をしなくなり、自分の部屋から一歩も出なくなる場合もあります。

 

重要なのは、「エネルギー不足の子供にとって必要な居場所」の意味を正しく理解することです。「親にとって」ではなく、「子供にとって」安心できる居場所を尊重し認めることこそが、 子供の気持ちに寄り添うことになり、不登校の長期化を防ぐことにつながります。

 

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『居場所』❶

2016/06/07

子供が不登校になると、学校以外の居場所を探す親御さんは少なくありません。学校へ通えなくなっても、適応指導教室などに通わせることができれば、親としてとりあえず安心できるのかもしれません。

 

「決まった時間に決まった場所に通えば、生活のリズムを保てる」「家にずっといると、不登校が長引くのではと心配になる」といった声はよく聞きます。

 

しかし、実際に学校へ通えなくなった後、すぐに家の外へ出て行ける子供は多くありません。外へ出るためのエネルギーが不足しているからです。それでも、学校や親に指定された居場所(適応指導教室など)に、残り少ないエネルギーをふりしぼり通おうとします。最悪なのは、学校に引き続いてそこも通えなくなったとき、さらに自信を失うことです。

 

このように、不登校になった直後の、学校や親が主導になる居場所探しは、すでに疲れている子供をさらに追い込み、不登校の長期化を招きかねません。そんな状況で、子供にとっての居場所はどこでしょうか?

 

例えば、自分の部屋、ベッドや押入れ、自宅のリビングなどの空間に加え、ゲームやアニメの世界も居場所になり得ます。その人によって、一番価値のある場所が居場所になるのです。不登校直後は、自分の居場所にいることで安全や安心を感じ、回復することができます。

 

続く。

 

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流行りのゲーム・アニメ❶ スプラトゥーン

2016/06/06

去年ぐらいから、生徒たちに「最近好きなことは?」「やってて面白いことは?」と聞くと、よく出てくる答えの一つに『スプラトゥーン』があります。

 

『スプラトゥーン』とは、2015年5月に任天堂から発売されたWii U専用のシューティング(撃ち合い)ゲームです。ひと言で言うと、ナワバリ(陣地)を競うゲームで、色の異なる4対4の2チームに分かれて、最終的に塗った面積が多い方が勝ち、というシンプルなルールになっています。

 

生徒たちは、「インクをビチャビチャ塗ること自体が快感!」「音楽・デザインのセンスが素晴らしい」などと感想を言います。

 

「最近のゲームはとにかくリアル過ぎて、撃ち合うゲームは残酷だから、子供に買い与えるのはちょっと。。。」と思われている親御さんは結構いるかもしれません。

 

しかし、そんな親御さんから見ても、スプラトゥーンの「インクの撃ち合い」「殺し合いより塗り合い」っていう設定は非常に受け入れやすく感じるでしょう。この点から、ゲーム全体を通して、親御さん目線に対する配慮もしっかりなされているゲームだと言えます。

 

「安心して子供に買い与えられるオモチャ」という部分があったからこそ、間口が広がり人気が高まっていったのではないでしょうか。

 

一方で、「そんな優等生なゲームだから、低刺激で退屈なゲームになっているか?」というとそんな事はありません。操作していて楽しいしかけ、ゲーム以外の場所でも聞きたくなる魅力的な音楽、「イカ」や「タコ」など海の生物をメインに据えたユニークなデザインは、プレイヤーを強力にひきつけます。

 

「撃つ・塗る」といった基本操作に爽快感が塗りこまれており、「プレイしていて圧倒的に気持ちいい」というプレイヤーの印象を上手に引き出せているゲームです。

 

機会があれば、子供と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?子供以上に親がハマるかもしれません。

 

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来週開催される「親の会」のご案内

2016/06/05

来週は金沢市と小松市で「親の会」が開かれます。

 

金沢市の「おーぷんはうす」はお昼過ぎの時間帯に、小松市の「えいむ石川」は夜の時間帯に開催されます。

 

どちらの会も最近は10〜15名の参加があり、話をゆっくり聴いて頂けると同時に、いろいろな方の話も聴くことができるので、不登校とどう向き合っていけば良いかについて大変参考になります。

 

「おーぷんはうす」の特徴は、30年近く前から、不登校の子供さんと向き合ってきた経験豊かな方に話を聴いて頂けることです。多くの方の事例を聴けることで、不安な気持ちが和らぐかもしれません。また、親御さんだけでなく、現在不登校の子供さんや過去に不登校だった子供さんも参加することが多いので、子供目線からの話を聴くことができます。

 

「えいむ石川」の特徴は、男性の参加比率が高いことです。一般的に、他の「親の会」は男性より女性の参加者が多いので、「えいむ石川」は男性にとって非常に参加しやすい会だと言えます。また、夜7時〜10時まで開催されていますので、仕事帰りに立ち寄って話を聴いてもらえます。さらに、「えいむ石川」のフェイスブックに参加すれば、フェイスブック上で悩みを共有しアドバイスを頂けます。

 

親の会の存在は知っているけれど、参加することに迷われている方はいらっしゃると思います。どちらの会も、和室で座布団、お茶菓子をつまみながら「ゆるい感じ」で開いています。行きたいときに行って、帰りたいときに帰るイメージでOKです。どうぞお気軽にご参加ください。

 

 
6月17日(金)おーぷんはうす お茶会
場所:金沢市泉野出町 (詳細な場所はお電話でお知らせします)
時間:午後2〜5時
会費:300円
電話:090-5175-5432

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6月17日(金)えいむ石川 〜学校が苦手な子供の親の会〜
場所:小松市こまつまちづくり交流センター
時間:午後7〜10時
会費:500円
電話:090-7740-0761
備考:可能であればお菓子を持参

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書籍案内❶

2016/06/04

5人に1人が、生まれつき「ひといちばい敏感な子」(Highly Sensitive Child=HSC)だといわれています。

 
敏感であるがゆえに、「泣きやまない、眠らない」「チクチクする服、いつもと違う味を嫌がる」「相手の気持ちによく気がつく」など、HSCにはさまざまな傾向があります。

 
他の子と違うわが子に、「この子はおかしいのでは?」「自分の子育てが間違っているのでは?」と悩む親は少なくありません。学校ではADHDやアスペルガーと誤解されてしまうこともあります。

 
本書は、多くの親が抱える子育ての悩みや疑問を、子どもの“敏感さ”という面から明らかにした、日本初のHSC解説本です。

 
不登校とHSCは、深い関連性があるともいわれています。したがって、HSCを理解することは、不登校を理解する助けになります。

 
著者は、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士。翻訳は、精神科医で、スクールカウンセラーとしても活躍する明橋大二氏です。明橋氏は、450万部を突破している『子育てハッピーアドバイス』シリーズの著者でもあります。

 

 

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「親の会」のご紹介❹ いまここ親の会

2016/06/03

加賀市にある、ニートひきこもりの会「いまここ親の会」をご紹介します。

 

「いまここ親の会」は不登校、ひきこもりの子どもを持つ家族の悩みなどの緩和、ひきこもりに対する社会の理解、行政の支援、親同士の連携、子どもの自立等の活動を行っていくことを目的に設立された会です。

 

毎月最終水曜日午後7時30分からは「月例会」が行なわれています。自分だけで悩むのではなく、他の家族の様子を知り、仲間をつくることができます。子どもへの関わり方を学びながら成長できる場所です。参加費は、一般参加は500円、会員は100円です。

 

また、毎週月曜日午後1〜4時頃まで、「たんぽぽカフェ」が開かれています。「たんぽぽカフェ」は、若者がひきこもり状態から一歩踏み出す場として作られました。基本的には、何をしてもOKです。ぼぉっとしたり、本を読んだり、誰かと会話したり。相談も承っています。参加費は無料です(飲食は有料)

 

その他、個別相談や訪問活動、避難シェルターや就労体験なども行なっているので、関心のある方は気軽にお問い合わせください。

 

 

NPO法人全国ひきこもりKHJ親の会
石川県南加賀支部「いまここ親の会」

 

場所: 加賀市山中温泉西桂木町ヌ26加賀市消防署山中分署近く
電話: 070-5633-2667
E-mail: dekunobodo@yahoo.co.jp
代表: 林昌則
支部長: 大久保卓

 

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『メイクフレンズ』〜同年代との交流〜❷

2016/06/02

それでも、学生時代は全日制の学校に通い続けることができなくても、通信制に転校して、主に家で勉強できる環境に変更することが可能です。そのため、学校を卒業すること自体にはそれほど大きな支障はないかもしれません。

 

しかし、「今までは家で一人勉強していたけれど、新たに入学した高校や大学では、新しい友達をつくり、キャンパスライフを楽しみたい」という声が現実に多くあります。新しい環境下でのコミュニケーションに対する彼らの不安を緩和し、学校生活を望み通り満喫できるようになることは、将来社会人として組織で働くことを考えた場合においては、大きな意味があります。

 

生徒の中には、「複数で会うのはしんどいけど、一対一なら話せる」「違う学校の人だったら気楽に話せる」と言う方も多くいます。そこで、「メイクフレンズ」を通して、彼らが一対一で会って話をしたり、勉強したり、遊んだりできる機会を得ることで、同年代への接し方に対する彼らの不安を、ある程度は緩和することができると考えております。

 

実際に、ここでの交流がきっかけで「不登校になる前に付き合っていた友達との交流が復活した」「参加するかどうか迷っていた修学旅行に行けるきっかけになった」という事例がありました。

 

 

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『メイクフレンズ』〜同年代との交流〜❶

2016/06/01

みんなの家庭教師では、「メイクフレンズ」を通して、同学年や同年代の交流をサポートしております。「メイクフレンズ」とは、社会性を高めることを目的とした、同学年や同年代の生徒が一対一で話したり、遊んだりできる機会のことです。

 

学校に通えなくなった後、心配されることの一つが学力の低下です。もう一つは、友達との交流が途絶えてしまったり、少なくなったりすることによる社会性の低下です。

 

まず、学力に関しては、家庭教師などを利用して学力をつけ、自分に応じた高校や大学に進学することは十分可能です。実際のところ、学校に通っていても学力の低い生徒がいる一方で、不登校でも平均以上の学力を持つ生徒も多くいます。

 

また、社会性に関しては、不登校を経験して高校や大学に入学した後で、学校に通いにくくなる場合があります。その理由の一つは、同年代の人間とのコミュニケーションに慣れていないことです。長く遠ざかっていた友達との交流が、久しぶりの学校生活に大きなギャップを与えてしまうのです。

 

 

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