〝いま聞きたい人〟

〝今聞きたい人〟『ワンネススクール 中村広太郎さん』❷

2016/07/21

ーー次に、中村さんご自身について伺いたいと思います。まず、ワンネススクールのスタッフになった経緯について教えて頂けますか?

 

中村さん  私は、前職は料理人&接客業でした。ちょうど前職を辞めた時に、知人を通してワンネススクールを初めて知りました。

 

ーーそれまでは、ワンネススクールについて、全くご存知なかったんですか?

 

中村さん  4年前まで、本当に全く知りませんでした。私のことをよく知るその知人は、私がワンネスにふさわしい人材であると思ったらしいのです。

 

ーーなぜ、その方は、中村さんがワンネススクールにふさわしい人材だと思われたのですか?

 

中村さん  私は、阪神大震災で被災したことがきっかけで金沢に引っ越して来ました。その時に、うまくなじめなかったことが原因で、2年間不登校を経験したんです。当時のワンネスのスタッフには、不登校経験者がいなかったので、「不登校を自ら語れるスタッフとして私が適任なのではないか」ということでした。

 

ーーそうだったんですね。確かに、中村さんご自身が不登校を経験されたことは、この仕事をされるうえで大きな強みですね。

 

中村さん  本当にそう思います。不登校だった時は、これが強みになるなんて考えられませんでした。「不登校=弱み」としか思っていなかったですから。

 

ーー「弱み」が「強み」に変わるというのは興味深いです。自己肯定感という点で考えると、弱みが強みに変わった瞬間から、ありのままの自分で生きられる気がします。

 

中村さん  本当にそうですね。過去にこういった経験もありました。実は、私はもともと人見知りで、他人の言動に非常に敏感なんです。そんな私が、先ほど申したように接客業という仕事をしていました。

 

ーー「人見知り」と「接客業」って、適性で考えると、なんとなく合わないと感じるのですが。。。

 

中村さん  私も最初はそう思いました。でも、実際に働いてみると、人見知りで敏感という気質が役に立ったんです。

 

ーーどんなふうに役に立ったのですか?

 

中村さん  私が働いていた店は、お客さんが店員を呼ぶためのボタンを設置していませんでした。そのため、お客さんの微妙な表情の変化やしぐさで、店員を呼びたいかどうかを常に察知する必要がありました。私の敏感で繊細な部分が、それを察知するのにとても好都合だったんです。

 

ーーなるほど。店員を呼びたい時、タイミング良く来てくれないと、お客さんにとってストレスですよね。中村さんのような店員さんがいれば、安心感を持てるお店になりそうですね。

 

中村さん  そうだと思います。料理の味はもちろん大切ですが、接客もかなり重要ですから。敏感な部分は、生きにくさにもつながるかもしれませんが、こんなふうに役立つこともあるんです。

 

ーー「敏感で感受性が強い」という部分は、不登校の生徒さんに比較的多いと言われるのですが、そんなふうに弱みが強みになるんですね。「敏感さ・感受性の強さ」の生きる仕事は、きっと他にもあるでしょうね。

 

中村さん  きっとあると思いますよ。

 

続く。

 

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白山市・鳥越校舎での活動風景

 

〝今聞きたい人〟『ワンネススクール 中村広太郎さん』❶

2016/07/20

今回の〝今聞きたい人〟は、石川県金沢市にあるフリースクール、「ワンネススクール」の中村広太郎さんです。1999年4月にサマースクールとして開校されたワンネススクールは、以来17年間の歴史をもつフリースクールです。

 

今回のインタビューを通して、ワンネススクールの魅力や中村さん御自身について、大変興味深いお話を伺うことが出来ました。全5回にわたって掲載します。

 

 

ーーまず、ワンネススクールについて伺いたいです。どんな場所ですか?

 

中村さん  いろいろな世代の人たちが、様々な事を経験し成長するために集まる場所です。のんびりした雰囲気で、優しく穏やかな人が多いです。

 

ーー他の学校と、どんなふうに違うんでしょうか?

 

中村さん  一般の中学や高校では、数学や国語、英語などの教科学習が中心ですが、ワンネスではそうではありません。

 

ーー教科学習が中心ではないんですね。

 

中村さん  はい。校舎は金沢市と白山市(旧鳥越村)にあり、週一度の鳥越校舎での学習は、自然との触れ合いを重視しています。春はお花見や畑の作業、夏は夏合宿や畑作業、秋は稲刈りやお祭り、冬はマキストーブを囲んでまったりしたり、ひたすら雪かきをしたり、季節にそった活動を行っています。

 

ーー自然と触れ合う活動が多いんですね。

 

中村さん  そうです。都市部や部屋の中では決してできない体験をすることによって、自然と体力がつき、体調不良が続いていた人もいつの間にか元気になっていたりします。人が地球の中で生きているということを肌で感じ、匂い、味わうことができるんです。

 

ーーそれは楽しそうですね。ワンネススクールでないと味わえない体験です。

 

中村さん  その通りです。農業実習の他にも、料理体験や写真や音楽、演劇やボードゲームなどの芸術活動、ボランティア活動やスポーツなども行なっています。

 

ーー様々なことを体験できるんですね。それらを通して、好きなこと、やりたいことを見つけられる生徒さんはいらっしゃいますか?

 

中村さん  たくさんいます。ワンネススクールは、これから何かやりたいこと、好きなことを見つけたい人にとって、その第一歩を踏み出しやすい場所です。私たちスタッフは、そんな人達をとことん応援しています。

 

ーーワンネスには優しい人達が多いから、どんな人でも安心して、好きなこと探しへの第一歩を踏み出しやすいのですね。

 

中村さん  ありがとうございます。そこは、ワンネスの大きな魅力の一つです!

 

続く。

 

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〝いま聞きたい人〟『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』代表 佐藤しのぶさん【完全版】

2016/06/28

〝いま聞きたい人〟では、毎回、不登校に携わる活動・仕事をされている方を訪ねて、お話を伺います。今回は、小松市の『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』の代表、佐藤しのぶさんにお話を伺いました。

 
ーーまずは、えいむ石川の創設時期について伺ってもよろしいですか?

 

佐藤さん  去年の2015年10月です。それ以降、毎月第3金曜日の午後7時から、小松市こまつまちづくり交流センターで、「えいむ石川」を開いています。

 

ーーどのような経緯で、「えいむ石川」を始められたのですか?

 

佐藤さん  当初は、不登校の子供たちの居場所を作りたいと考えていました。小松地区に、フリースクールのようなものがないので、それに相当するものを作りたかったんです。ところが、話し合いを進めていく中で、現時点において、フリースクールのような、私たちのイメージする居場所の実現は、すぐには難しいという結論になりました。

 

ーー当初の予定では、親の居場所ではなくて、子供たちの居場所を作りたかったんですね。

 

佐藤さん  はい、そうだったんです。それでも、奥地さんが創設された「東京シューレ」がそうであったように、最初は親の居場所であったとしても、その後発展して、いつかフリースクールのような子供たちの居場所になってくれたら、という願いがあります。

 

ーー石川県のフリースクールは、金沢市にワンネススクールがありますが、小松市にもあるといいですね。

 

佐藤さん  そうですね、学校に行けないことが問題ではなくて、学校以外で学べる場所を選択できないことが問題ではないでしょうか?そういう意味では、学校以外に、子供たちの居場所がもっと増えてほしいと思います。

 

ーーえいむ石川の雰囲気は、どのような感じですか?

 

佐藤さん  ひとことで言うと、ゆる〜い感じです。一応、開始時間は午後7時からですが、月によっては集まりが遅く、午後7時半近くになって始まることもありました。そんな調子で、ゆったりまったりしています。

 

ーー決して、重苦しいとか、かたいイメージではないということなんですね。初めて参加される親御さんにとって、訪ねやすい雰囲気はとても安心です。

 

佐藤さん  この会を始めた当初は、会議室を借りて、椅子に座って話を聴いていました。ところが、この春から、和室に座布団のスタイルに変えたところ、親御さんたちから非常に評判が良かったんです。会議室から和室に変えたことで、参加者の物理的な距離感が近くなったと同時に、心の距離感も近くなったような気がします。

 

ーーそうだったんですね。確かに、会議室は仕事を連想させる堅いイメージです。初めて参加される方のことを考えれば、和室に座布団のスタイルのほうが、足を踏み入れやすいと思います。

 

佐藤さん  初めて来られる方の気持ちになって考えると、確かにそうですね。

 

ーーその他に、えいむ石川の特徴はありますか?

 

佐藤さん  えいむ石川は、他の親の会と比較すると、男性の参加者が多いかもしれません。そういう意味では、不登校の子供のことで悩んでいるお父さんにとっては、参加しやすい会だと思います。

 

ーーそれは、男性にとってありがたいですね。一般的に、親の会というと、昔からお母さん方の参加者が多く、女性ばかりの親の会の中に、お父さんが参加するためには多少の勇気が必要でした。

 

佐藤さん  そうですね。昔に比べて、男性が積極的に家事や育児をする機会が増え、女性も当たり前に働く時代になりました。父親も仕事だけでなく、母親と一緒に子供のことを考える時間が増えたのだと思います。今後も男性の参加者、大歓迎です。

 

ーーえいむ石川をつくって、今までに嬉しかったことは何ですか?

 

佐藤さん  「このような場所をつくってくださって、ありがとう」と、参加者からお礼を言われたことです。やはり、〝ありがとう〟と言って頂けるのは嬉しいですね。

 

ーー感謝されると本当に嬉しいですよね。他にはありましたか?

 

佐藤さん  えいむ石川は歴史が浅いので、まだ実現していませんが、将来的には、ここに参加された親御さん達が、どんどん変化していく様子を見れると嬉しいでしょうね。

 

ーー変化していく様子というのは?

 

佐藤さん  えいむ石川に参加された親御さんが、ここで不登校について話をしたり、他の人たちの話を聴いたりすることを通して、親として、人間として成長されていく過程を見たいですね。

 

ーー「えいむ石川」という親の会が、人としても成長できる場でありたいと考えていらっしゃるのですね。

 

佐藤さん  この親の会をつくる時に考えていたことは、親御さん達が集まって、ただ愚痴を言い合うだけの会にはしたくないということでした。えいむ石川に参加された親御さん達が、何かしらの気付きを得たり、学び成長されていくきっかけにして頂けたら、本当に幸せです。

 

ーー「不登校の親の会」というと、一般的に暗いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。でも、佐藤さんのお話を伺っていると、参加された親御さんたちが、明るくポジティブになっていくイメージがわいてきます。

 

佐藤さん  ありがとうございます!

 

ーーえいむ石川という親の会を知っていても、初めての参加で緊張したり、初対面の複数の人たちの前で話すことに対して、抵抗のある方もいらっしゃると思います。そのように不安を感じて、参加することをためらわれている方に対して、メッセージをお願いできますか?

 

佐藤さん  実際、これまでに参加された方で、「参加前は、宗教団体のようなものだと思っていた」とか「高額のお金を要求されるのではと警戒していた」などの声がありました。えいむ石川は、宗教団体でもないですし、ましてや高額のお金を要求することも絶対にありません。また、初めて参加される方で、「いきなり話をするのはちょっと難しいかも。。。」という方は、見学という形でも大歓迎です。他の親御さん達の話を聴くだけでも、気づきを得ることができるかもしれません。

 

ーーなるほど。参加したからと言って、必ず話さなくてもいいんですね。他の親御さん達の話を聴くだけでもいいんですね。

 

佐藤さん  はい。実際に、そのような方もいらっしゃいました。お茶菓子をつまみながら、話を聴いているだけでも大丈夫です。話したくなった時に、自由に話して頂ければありがたいです。

 

ーーそれは安心ですね。実際に、不登校の子供を持つ親御さんの中で、親の会に参加されている方は、ほんの一部です。えいむ石川のように、敷居の低い感じであれば、きっと参加しやすいのではないでしょうか?

 

佐藤さん  そうですね、初めて参加される方は、えいむ石川の雰囲気を見るだけでもいいと思います。できるだけ多くの方に参加して頂けたら嬉しいです。

 

ーー北陸地方、石川県において、奥ゆかしい気質も影響しているのか、第三者に相談できずに、一人で思い悩まれている親御さんの割合が、他の地域と比較して多い気がします。

 

佐藤さん  私は大阪出身ですが、最初はそのような北陸の気質をよく分かっていませんでした。確かに、関西と北陸で多少の違いはあるのかもしれません。そういう意味では、どんな方でも参加しやすい親の会になるように心がけていきたいです。

 

ーー最後になりますが、えいむ石川を、今後どのような会にしていきたいですか?

 

佐藤さん  現在、えいむ石川の代表と、会の司会進行は私が主に行なっています。でも、えいむ石川は、参加された方たち全員でつくっていく会だと、私はいつも考えています。例えば、今後行われるイベントに関しても、私が主導するのではなく、誰かが提案して、参加者たちで協力し実行していく形が望ましいですね。もちろん、会の代表や司会進行も、私に限らず他の方にもやって頂きたいです。

 

ーー参加者全員でつくっていく親の会を目指しておられるんですね。

 

佐藤さん  そうです。先ほど申したように、えいむ石川に参加し交流して頂くことで、親御さんたちが徐々に成長されるような会にしたいという思いがあります。成長というと、少しかたいイメージになるかもしれませんが、親御さんたちが明るく前向きになり、生き生きとした生活をされることこそが、いずれ子供たちにも良い影響をもたらすのではないかと信じています。

 

ーー確かに、そうですね。よく不登校に関する書籍や講演会などで、〝ありのままの子供を認める〟という言葉に出会いますが、具体的には「親が明るく前向きになり、親の人生を生きること」が、「ありのままの子供を認める」ことに大きく近づく気がします。

 

佐藤さん  そうですね。まずは、親御さんが明るく元気になることです。その土台があって、子供たちが元気になっていきます。親御さんたちが元気になるために、私たち「えいむ石川」が背中をそっと押すような存在になれたら幸せです。今後もどうぞよろしくお願いします!

 

ーーみんなの家庭教師も、これまで同様に、できるかぎりの応援をさせて頂きます。今日は長い時間を頂き、ありがとうございました。
(聞き手・工藤拓哉)

 

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〝いま聞きたい人〟『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』代表 佐藤しのぶさん❺

2016/06/27

ーー最後になりますが、えいむ石川を、今後どのような会にしていきたいですか?


佐藤さん  現在、えいむ石川の代表と、会の司会進行は私が主に行なっています。でも、えいむ石川は、参加された方たち全員でつくっていく会だと、私はいつも考えています。例えば、今後行われるイベントに関しても、私が主導するのではなく、誰かが提案して、参加者たちで協力し実行していく形が望ましいですね。もちろん、会の代表や司会進行も、私に限らず他の方にもやって頂きたいです。

 

ーー参加者全員でつくっていく親の会を目指しておられるんですね。


佐藤さん  そうです。先ほど申したように、えいむ石川に参加し交流して頂くことで、親御さんたちが徐々に成長されるような会にしたいという思いがあります。成長というと、少しかたいイメージになるかもしれませんが、親御さんたちが明るく前向きになり、生き生きとした生活をされることこそが、いずれ子供たちにも良い影響をもたらすのではないかと信じています。

 

ーー確かに、そうですね。よく不登校に関する書籍や講演会などで、〝ありのままの子供を認める〟という言葉に出会いますが、具体的には「親が明るく前向きになり、親の人生を生きること」が、「ありのままの子供を認める」ことに大きく近づく気がします。


佐藤さん  そうですね。まずは、親御さんが明るく元気になることです。その土台があって、子供たちが元気になっていきます。親御さんたちが元気になるために、私たち「えいむ石川」が背中をそっと押すような存在になれたら幸せです。今後もどうぞよろしくお願いします!

 

ーーみんなの家庭教師も、これまで同様に、できるかぎりの応援をさせて頂きます。今日は長い時間を頂き、ありがとうございました。

 
(聞き手・工藤拓哉)

 

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〝いま聞きたい人〟『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』代表 佐藤しのぶさん❸

2016/06/25

ーーえいむ石川をつくって、今までに嬉しかったことは何ですか?

 

佐藤さん  「このような場所をつくってくださって、ありがとう」と、参加者からお礼を言われたことです。やはり、〝ありがとう〟と言って頂けるのは嬉しいですね。

 

ーー感謝されると本当に嬉しいですよね。他にはありましたか?

 

佐藤さん  えいむ石川は歴史が浅いので、まだ実現していませんが、将来的には、ここに参加された親御さん達が、どんどん変化していく様子を見れると嬉しいでしょうね。

 

ーー変化していく様子というのは?

 

佐藤さん  えいむ石川に参加された親御さんが、ここで不登校について話をしたり、他の人たちの話を聴いたりすることを通して、親として、人間として成長されていく過程を見たいですね。

 

ーー「えいむ石川」という親の会が、人としても成長できる場でありたいと考えていらっしゃるのですね。

 

佐藤さん  この親の会をつくる時に考えていたことは、親御さん達が集まって、ただ愚痴を言い合うだけの会にはしたくないということでした。えいむ石川に参加された親御さん達が、何かしらの気付きを得たり、学び成長されていくきっかけにして頂けたら、本当に嬉しいです。

 

ーー「不登校の親の会」というと、一般的に暗いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。でも、佐藤さんのお話を伺っていると、参加された親御さんたちが、明るくポジティブになっていくイメージがわいてきます。


佐藤さん  ありがとうございます!

 
続く。

 

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〝いま聞きたい人〟『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』代表 佐藤しのぶさん❷

2016/06/24

ーーえいむ石川の雰囲気は、どのような感じですか?

 

佐藤さん  ひとことで言うと、ゆる〜い感じです。一応、開始時間は午後7時からですが、月によっては集まりが遅く、午後7時半近くになって始まることもありました。そんな調子で、ゆったりまったりしています。

 

ーー決して、重苦しいとか、かたいイメージではないということなんですね。初めて参加される親御さんにとって、訪ねやすい雰囲気はとても安心です。

 

佐藤さん  この会を始めた当初は、会議室を借りて、椅子に座って話を聴いていました。ところが、この春から、和室に座布団のスタイルに変えたところ、親御さんたちから非常に評判が良かったんです。会議室から和室に変えたことで、参加者の物理的な距離感が近くなったと同時に、心の距離感も近くなったような気がします。

 

ーーそうだったんですね。確かに、会議室は仕事を連想させる堅いイメージです。初めて参加される方のことを考えれば、和室に座布団のスタイルのほうが、足を踏み入れやすいと思います。

 

佐藤さん  初めて来られる方の気持ちになって考えると、確かにそうですね。

 

ーーその他に、えいむ石川の特徴はありますか?

 

佐藤さん  えいむ石川は、他の親の会と比較すると、男性の参加者が多いかもしれません。そういう意味では、不登校の子供のことで悩んでいるお父さんにとっては、参加しやすい会だと思います。

 

ーーそれは、男性にとってありがたいですね。一般的に、親の会というと、昔からお母さん方の参加者が多く、女性ばかりの親の会の中に、お父さんが参加するためには多少の勇気が必要でした。

 

佐藤さん  そうですね。昔に比べて、男性が積極的に家事や育児をする機会が増え、女性も当たり前に働く時代になりました。父親も仕事だけでなく、母親と一緒に子供のことを考える時間が増えたのだと思います。今後も男性の参加者、大歓迎です。

 

続く。

 

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〝いま聞きたい人〟『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』代表 佐藤しのぶさん❶

2016/06/23

〝いま聞きたい人〟では、毎回、不登校に携わる活動・仕事をされている方や、過去に不登校だった方を訪ねて、お話を伺っていきます。今回は、小松市の『えいむ石川〜学校が苦手な子供の親の会〜』の代表、佐藤しのぶさんにお話を伺いました。

 

 
ーー「えいむ石川」の創設時期はいつだったのですか?

 

佐藤さん 去年の2015年10月です。それ以降、毎月第3金曜日の午後7時から、小松市こまつまちづくり交流センターで、「えいむ石川」を開いています。

 

ーーどのような経緯で、「えいむ石川」を始められたのですか?

 

佐藤さん 当初は、不登校の子供たちの居場所を作りたいと考えていました。小松地区に、フリースクールのようなものがないので、それに相当するものを作りたかったんです。ところが、話し合いを進めていく中で、現時点において、フリースクールのような、私たちのイメージする居場所の実現は、すぐには難しいという結論になりました。

 

ーー当初の予定では、親の居場所ではなくて、子供たちの居場所を作りたかったんですね。

 

佐藤さん はい、そうだったんです。それでも、奥地さんが創設された「東京シューレ」がそうであったように、最初は親の居場所であったとしても、その後発展して、いつかフリースクールのような子供たちの居場所になってくれたら、という願いがあります。

 

ーー石川県のフリースクールは、金沢市にワンネススクールがありますが、小松市にもあるといいですね。

 

佐藤さん そうですね、学校に行けないことが問題ではなくて、学校以外で学べる場所を選択できないことが問題ではないでしょうか?そういう意味では、学校以外に、子供たちの居場所がもっと増えてほしいと思います。

 

続く。

 

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