2017年1月の活動報告

『メイクフレンズ・インタビュー』No.5 ❶

2017/01/11

今回は、中学2年生の慎吾君(仮名)と高校1年生の翔君(仮名)に話を伺いました。学年の差が2年ありますが、二人は同じ趣味を共有していることもあり、非常に気が合うようです。

 

中学2年の慎吾君は一年前に不登校になって以来、友達と会う機会が減りました。その後、メイクフレンズで同い年の生徒ではなく、少し年上の人を望んだのにも理由があったようです。

 

一方、高校生の翔君は、現在は通信制高校に通っています。不登校だったため、中学時代のほとんどを家で過ごしました。同じ境遇の慎吾君とは、趣味を通して気持ちが通じるようです。

 

 
ーー慎吾君と翔君が、ここで週に一度会うようになって、数ヶ月経ったね。慎吾君にとって、学年が二つ上の高校生と話すのは平気だったの?

 

慎吾君  同級生より、年上の人の方が話しやすいです。

 

ーー高校生のような、少し年上の人の方が話しやすいんだね。

 

慎吾君  楽に話せる感じです。

 

ーー楽なんだね。翔君はどうですか?

 

翔君  同じ趣味を持った人と話せることが一番楽しいかな。

 

ーー同じ趣味の人と話せることが一番楽しいんだね。

 

翔君  そうそう。僕は一人っ子で兄弟いないし、家族と趣味の話ができないから。

 

ーー家族とは趣味の話ができないんだね。

 

翔君  うん。今は通信制で、あまり学校に行かなくていいコースだし、同級生で趣味の話をする人もいないしね。

 

ーー今年は、趣味の話をできる人が増えればいいね。

 

翔君  今は慎吾君がいるし、あと一人くらいいてもいいかなって思う。

 

続く。

 

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来週開催される「親の会」のご案内

2017/01/10

来週1月20日の金曜日午後2時から、金沢市の「おーぷんはうす」でお茶会が開かれます。

 

いつもながらの暖かい雰囲気の中、ゆったりと話を聴いて頂ける会です。

 

27年間継続してきた会だからこその安心感で、どんな内容の話にも親身に対応してくれます。

 

また、親御さんだけでなく、子供たちの参加も多い会ですので、子供目線での話を聴けるメリットもあります。

 

お好きな時間に、ぶらりとお立ち寄りください。

 

なお、おーぷんはうすは、2016年11月23日、金沢市文化ホールにて、『金沢市ともしび賞』を受賞されました。金沢市ともしび賞とは、長年にわたり、福祉奉仕活動を続け、地域の福祉の向上に著しく貢献していると認められる個人又は団体の功績を讃えるものです。

 

1月20日(金)
おーぷんはうす お茶会
場所:金沢市泉野出町(詳細な場所はお電話でお知らせします)
時間:午後2〜5時ごろ
会費:300円
電話:090-5175-5432

 

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また、小松市では、同じ日の1月20日の金曜日に、午後7時30分から「親の会 KO-まつ」が開かれます。

 

「えいむ石川」は昨年12月から「親の会 KO-まつ」へと名称が変更になりました。場所は今までと同じですが、開始時間が午後7時30分〜になります。また、会費は500円から100円になり、非常に参加しやすくなりました。ご夫婦で参加されたとしても、合計200円です。

 

会の雰囲気や参加される親御さんたちも、「えいむ石川」を引き継いでいますので、今までに参加されたことがある親御さんたちも安心して参加できます。

 

「親の会 KO-まつ」は、「子供を待つ」と「小松」の二つの意味がかけられています。

 

親はつい先回りして、子供にいろいろ言ってしまいがちです。でも、それが子供の気持ちに沿ったものでないと逆効果になります。「親の会 KO-まつ」は、「子供を見守り、子供を待つ意識を保つこと」が、子供が元気になるために必要であると考えています。

 

初めて参加されたある親御さんは、「初参加でしたが、親切に温かく迎えて頂いたので、とても話しやすかったです。また参加したいと思います」と話されていました。

 

ぜひ、ご都合の良い時間帯にご参加ください。

 

1月20日(金)

親の会 KO-まつ
場所:小松市こまつまちづくり交流センター
時間:午後7時30分〜午後10時
会費:100円
電話:090-5175-5432

 

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『うちの子 不登校ですが何か?』

2017/01/09

来月、2月2日(木)に、「ベスタの会」が主催する研修会、『うちの子 不登校ですが何か?』の第4回が開かれます。

 

今回は、山美弥子さん(やすらぎの会代表)が講師として、「地域の支援者とつながろう!」についてお話しされます。

 
関心のある方は、ぜひご参加ください!

 

お電話かホームページより、事前申し込みをお願いします。

 

この研修会は、(公財)いしかわ結婚・子育て支援財団補助事業として、不登校児の親、支援者、不登校に関心のある人のコミュニティ作りと、地域の関連団体の連携を目的に開催します。

 

日時 : 2月2日(木)10:00〜12:00
場所 : イシスサロン 石川県金沢市昭和町13-1
対象:不登校児の親、不登校に関心のある方、支援者
参加費:300円
お問い合わせ : 090-8268-1062

 

◎お申し込みはホームページからも可能です。
http://ameblo.jp/vesta2009

 

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「不登校×LINEの添削指導」の利点❸

2017/01/08

三つ目の利点は、「LINEを通して、いつでも気軽に質問できること」です。

 

実際に誰かに会うことは難しくても、「LINEを通してであれば、勉強に関して気軽に質問できる」という方がいらっしゃいます。

 

カメラで質問したい問題を撮影し、24時間好きな時に送信することができるので簡単です。また、ボイスメッセージを使って、コミュニケーションを取ることも可能です。

 

みんなの家庭教師では、不登校になり家にひきこもりがちになった方が、以前のように他者と交流したり、学校に復帰できるように、一人一人に合ったきめ細かい提案をしております。

 

その中の一つとして、今回ご紹介した三つの利点から、「不登校×LINEの添削指導」は非常に有効であると考えております。現在、不登校で悩み苦しんでいる生徒さんが、一歩前進するための「きっかけ」になれば幸いです。

 

 

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「不登校×LINEの添削指導」の利点❷

2017/01/07

もう一つの利点は、『無理なく継続できること』です。

 

送信される課題の内容や量に関しては、時間をかけて話し合い、生徒本人に決めてもらいます。

 

大切なことは、生徒自身が「自分が決めた感覚」を持つことです。他人ではなく、自分自身が決めたことは、長続きしやすいからです。

 

例えば、数学であれば、計算1問から始める方もいらっしゃいますし、漢字または英単語1個から始める方もいらっしゃいます。

 


「継続」は「自信」につながります。

 

 

継続によって得られた自信は、勉強だけに留まらず、形を変えて何かを始めるきっかけにもなり得ます。

 

例えば、不登校になって以来、ほとんど笑わなかった方が笑顔で家族と会話をするようになったり、家に閉じこもりがちだった方が外出するようになった事例もあります。

 

継続から生まれる自信が、生活面においても良い流れを生み、近い将来の学校復帰や社会復帰にも影響を及ぼします。

 

続く。

 

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「不登校×LINEの添削指導」の利点❶

2017/01/06

みんなの家庭教師では、不登校の生徒さんを中心に、LINEを使った添削指導をおこなっております。今回は、「不登校×LINEの添削指導」の利点についてお伝えします。

 

一つは、『勉強を再開するきっかけをつかみやすい点』です。

 

不登校になると、どうしても勉強をすることから遠ざかってしまいます。

 

「そろそろ学校に行きたいけど、勉強の遅れも気になるし。。。」「受験が気になるけど、どこから勉強を始めていいか分からない」などの声を多く聞きます。

 

そんな方からも、「一人一人に合った課題の量をLINEで送信してもらえるのは、少しずつ勉強を再開するのにちょうどいい」と好評です。

 

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来週開催される「親の会」のご案内

2017/01/05

来週、1月14日の土曜日に、金沢市の教育プラザ富樫にて、「やすらぎの会」が開催されます。

 

アドバイザーとして、金沢星稜大学の高賢一教授が来られ、丁寧に話を聴いて頂けるので、親御さんは安心してお話をすることができます。

 

ゆったりとした居心地の良い空間で、日頃のモヤモヤを吐き出してみませんか。

 

不登校(行きしぶりを含む)やひきこもりで悩まれている親御さんであれば、誰でも会に参加できます。当日参加もOKですし、ご都合の良い時間帯だけの参加も可能です。

 

お気軽にご参加ください。

 

場所 : 金沢市富樫3丁目10番1号 教育プラザ富樫
時間 : 午後1〜4時
会費 : 会員200円、非会員500円
問い合わせ : やすらぎの会 事務局 miyakoyo@hotmail.co.jp

 

 

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オープンスクール体験会 in ワンネススクール

2017/01/04

2017年1月22日(日)、2月26日(日)10時~13時頃まで、ワンネススクールのオープンスクール体験会が開かれます。フリースクールの一般解放日で、誰でも気軽に参加できます。

 

「フリースクールってどんなところか?」
「どんな人たちがいるのか?」
「どんな雰囲気で何をしているところか?」

 

いろんな人達と話したり、遊んだりしながら、ワンネススクールを知ることができます。

 
当日は、現在ワンネススクールに通っている13歳〜18歳までの生徒がお手伝いしてくれます。

 
「参加費無料で、飛入り歓迎です!」

 
関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 
当日は・・・
・プラ板でキーホルダー作り(予定)
・スウィーツ作り
・カードゲーム&ボードゲーム遊び
・楽器体験
・保護者の方は別室にて相談会も行っています。(ご相談を希望の方は、事前申し込みをお勧めします)

 

 

日時:1月22日(日) 2月26日(日)両日とも10時~13時ごろまで
場所:ワンネススクール金沢校舎(金沢市有松2丁目15-2 2F)
費用:無料
電話:076-259-5359

E-mail:info@oneness-school.org

 

NPO法人ワンネススクール
〒921-8161 石川県金沢市有松2丁目15-2 2F (久安交差点近く、文具センター事務キチ金沢店向かい2F)
ホームページ: http://www.oneness-school.org/

 

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職業を知ろう!No.2『加賀象嵌作家』【完全版】

2017/01/03

今回の「職業を知ろう!」は、加賀象嵌(かがぞうがん)作家です。今日から数回にわたり、加賀象嵌作家である坂井天心さんへのインタビューを掲載します。

 

『加賀象嵌(かがぞうがん)』をご存知でしょうか?『加賀象嵌』とは、石川県金沢市に伝わる伝統工芸技法の一つで、高度な技術が必要とされます。

 

象嵌(ぞうがん)とは、金属の表面を彫り、できた溝にほかの金属をはめこんで、いろいろな模様を作り出す技のことです。「象」の字には「かたどる」、「嵌」の字には「はめる」という意味があります。

 

日本の象嵌産地には、金沢の他に、高岡や京都、熊本などがあります。藩政時代、現在の金沢市笠市町と安江町の辺りは、多くの象嵌師が住んでいたことから、象眼町(ぞうがねまち)と名付けられていました。「ずがねまち」とも「ぞうがんまち」とも言われたそうです。

 

石川県には、坂井さんをはじめ、今も象嵌作家さんが活躍しております。花器やオブジェ、ペンダントやピアス、ブレスレットなどのアクセサリー、スプーンや箸置き、ネクタイピンなど、様々な加賀象嵌作品や商品があります。

 

 

ーー坂井さんが、この職業を目指したきっかけを教えて頂けますか?

 

坂井さん  実は、私の父も加賀象嵌作家なんです。そのため、物心ついた時から、父が仕事をする姿を間近で見て育ちました。朝から晩まで、父の作業部屋からコンコン、カンカンと音がするのを聞きながら、「いったい何をやっているんだろう?」と(笑)。とにかく、学生時代は「絶対に父と同じ職業には就きたくない」と思っていました。

 

ーーなぜ、当時そのように思われたのですか?

 

坂井さん  伝統工芸というものに、全く関心を持てなかったというか、本当に嫌でした。加賀象嵌という伝統工芸が何なのかを、知ろうとさえしませんでした。正直言うと、伝統工芸の香りがする金沢という街そのものが、当時は好きではありませんでした。だから、高校卒業と同時に逃げるように金沢を離れ、名古屋に行きました。それ以来、数年前まで名古屋に住んでいました。ちなみに、前職は伝統工芸とは全く関係のない仕事でした。

 

ーーそうだったんですね。その後、何がきっかけで金沢に戻ってこられたのですか?

 

坂井さん  金沢を長い間離れ、遠方で働くうちに、伝統工芸に対する自分の考え方に変化があったのかもしれません。いろいろ迷って考えた末に、金沢に戻って父の後継者になり、加賀象嵌の技術を受け継ぐことを決断しました。

 

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金沢市大手町にある「ギャラリーセーブル」

 

 

ーー金沢に戻って来られた後、どのようにして加賀象嵌の技術を学ばれたのですか?

 

坂井さん  父が現役の加賀象嵌作家なので、父から直接指導を受けて学びました。ただ、いろいろ質問できる反面、親子特有のやりにくさはありましたね。

 

ーー「やりにくさ」と言うと?

 

坂井さん  もちろん、仕事に関して分からない所などがあれば、いつでも父に聞けるので大変ありがたいです。その一方で、親子なので、何と言うか、やはり何かと思うことはいろいろありますよね(笑)それでも、現在はだいぶ慣れました。

 

ーーその辺りは、坂井さん御自身でないと分からない御苦労が、いろいろあったということなんですね。

 

坂井さん  そうですね。何に関しても同じかもしれませんが、良い面もあれば、そうではない面もあります。必ず両面があるのではないでしょうか。

 

ーー加賀象嵌作家として、仕事を開始される前と開始された後で、「こんなはずじゃなかった」のようなギャップは、実際にありましたか?

 

坂井さん  ありましたね。幼少期から父がする仕事を見てきましたが、実際に仕事をしてみると、私が予想していたことと全然違っていました。特に最初の頃は、専門用語が多くて、わけが分からなかったですね。それと、一つの作品を作るために、想像以上の時間がかかるということを思い知りました。加賀象嵌は、電動工具などはいっさい使わず、全て手作業で作るので、作品によっては数ヶ月かかるものもあります。だから、思った以上に体力が必要なんです。

 

ーー坂井さんが予想された以上に、大変な世界だったんですね。

 

坂井さん  大変でした。今になって振り返ると、最初の1〜2年は本当にしんどかったですね。「あぁ、名古屋に帰りたい」と毎日思っていた時期もあったぐらいです。その頃は、金沢に帰ってきたことを後悔していました(笑)

 

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ーー最初の1〜2年は辛かったということでしたが、現在はいかがですか?

 

坂井さん  今はこの仕事にのめり込んでいます(笑)

 

ーー「のめり込んでいる」と言われましたが、坂井さんにとって辛かった仕事が、のめり込むまでになったきっかけは何だったのですか?

 

坂井さん  この仕事に就いて2年目だった頃に、私と仲間二人でグループ展を開催したんです。その時に、予想以上に多くのお客様に来て頂きました。今でも覚えていますが、そのグループ展に来られた一人のイタリア人に、私の商品が気に入られ、購入して頂きました。その頃は、作家としての経験は当然今より浅く、まだよく分からずに商品を作っていた時期でした。そんな時期に、私の作った物を購入して頂いたことが本当に嬉しかったんです。

 

ーーそれは本当に嬉しいでしょうね。

 

坂井さん  「私が作った物を買ってくれる人がいるんだ」と感激したことを、今でもよく覚えています。非常にモチベーションが上がり、やる気がわいてきましたね。その時に、「お客様が喜んで頂けるような物をもっと作りたい」という強い思いが、自然にわきあがってきました。それ以降、この仕事にのめり込んでいったのだと思います。

 

ーー大変よく分かりました。坂井さんにとって、そのグループ展は、ある意味でターニングポイントになったのかもしれませんね。

 

坂井さん  そうですね。私にとっては非常に重要なグループ展でした。

 

ーーところで、休日はどのように過ごされていますか?

 

坂井さん  図書館で商品のデザインを考えていることが多いですね。本来であれば、働く時はしっかり働いて、休日はしっかり休むというように、メリハリをつけたほうが良いのかもしれませんが、どうしても仕事のことを考えてしまいます。

 

ーーその辺りも、「仕事にのめり込んでいる」という現在の状態を表しているのでしょうか?

 

坂井さん  そういう言い方もできますね。私にとって、今は仕事にのめり込む時期なのかもしれません。

 

ーー坂井さんが仕事をされるうえで、大切にしていること、気を付けていることは何ですか?

 

坂井さん  いらっしゃったお客様一人一人に、加賀象嵌について丁寧に解説することです。ここに来られるお客様の多くは、加賀象嵌に関してほとんど知りません。加賀象嵌を少しでも理解して頂き、興味を持って頂くことが、ここに再び足を運んでくださることにつながるのだと思います。

 

ーーまずは、加賀象嵌を知ってもらうこと、関心を持ってもらうことが大切なんですね。

 

坂井さん  その通りです。それを意識してお客様に接することは、私や加賀象嵌に携わる人たちの未来にとって、大変重要だと思います。

 

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ーーこれまでに、苦労されたことは何でしたか?

 

坂井さん  展覧会がある時に、作品の搬入の締め切りを危うく過ぎそうになったことは、何度もありました。

 

ーー締め切りギリギリまで作業をされることが多いのですか?

 

坂井さん  そうですね、わりと多いです。例えば、県立美術館に作品を持っていかなければならなかった時、締め切り時間の10分前まで、ここで作業をしていたこともありました。その時は、かなり危なかったです(笑)

 

ーーもし万が一、締め切り時間に遅れたら、どうするんですか?

 

坂井さん  同じ展覧会であれば、来年まで待つしかありませんね。ただ、2ヶ月ぐらいかかって、やっとの思いで完成した作品ですから、やっぱり締め切りに間に合わせたいですね。

 

ーーその他に、苦労されたことはありますか?

 

坂井さん  「素晴らしい商品のアイデアがひらめいた!」と思っても、実際にテスト品を作ってみると、全然期待ハズレになってしまい、失望することは多いですね。

 

ーー多いんですか?

 

坂井さん  私の場合、半分ぐらいそんな感じです。また、商品を作っても一個も売れないとか、悲しいですが実際にありましたね(笑)

 

ーー坂井さんにとって、この仕事のやりがいは何でしょうか?

 

坂井さん  思い描いた通りの作品や商品を作れた瞬間も、もちろんやりがいを感じますが、私の作品や商品を通して、いろいろなお客様にお会いできることでしょうか。

 

ーーいろいろなお客様にお会いできることなんですね。

 

坂井さん  そうですね、いろいろなお客様にお会いして、私が作った商品を通して、お客様に喜んで頂くことが何よりのやりがいです。

 

ーーお客様の喜ぶ顔を見れることは、本当に魅力的ですね。

 

坂井さん  その通りです。お客様の中には、購入された商品を身につけられて、再び展覧会に来てくださる方もいらっしゃいますし、購入された食器を御家庭で使用されている場面を撮って、送信してくださる方もいらっしゃいます。本当に嬉しいです。

 

ーーやはり、お客様に商品を使って頂けることが嬉しいんでしょうか?

 

坂井さん  作家さんにもよりますが、私の場合は、鑑賞する工芸品よりも、日常生活の中で普段使いのできる工芸品を作りたいと思っています。使って頂けることは、作家冥利に尽きます。

 

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加賀象嵌の制作体験もできます。

 

 

ーー加賀象嵌の作家さんは、どんな性格の方が多いのでしょうか?

 

坂井さん  難しい質問ですね。「良い作品を作りたい」と思う、純粋な方が多いのではないでしょうか。良い意味で、社会に揉まれていない感じかもしれません。それと、個性も強いと思います。

 

ーー純粋で個性が強いんですね。

 

坂井さん  特に、私の父世代の作家が、その傾向は強いかもしれません。話をすると非常に面白いです。

 

ーー坂井さんの今後の目標を教えて頂けますか?

 

坂井さん  加賀象嵌をもっと多くの方に知って頂きたいです。地元の金沢でさえ、加賀象嵌を知らない方は多いと思います。とにかく、現在より加賀象嵌を普及させたいですね。

 

ーー加賀象嵌を普及させるために、どうすれば良いのでしょうか?

 

坂井さん  宣伝することも、もちろん大切ですが、私たち作家が良い商品を作ることが一番大切だと思います。多くの良い商品が創り出せれば、徐々に普及すると信じています。

 

ーー坂井さんが制作された、砂金を使ったアクセサリーが北國新聞で紹介されました。粒状の砂金を使用するのは珍しいと聞いています。

 

坂井さん  そうですね。自分で採った砂金を使うことで、金沢の由来を知ってもらい、加賀象嵌を多くの人に知ってもらうきっかけにしたかったんです。伝統の良さを生かしながらも、新しい物も創り出していく努力をしています。

 

ーーこの記事を読んで、加賀象嵌に興味を感じている方にメッセージをお願いします。

 

坂井さん  ぜひ一度、こちらの「ギャラリーセーブル」にお越しください。もちろん、見学だけでも構いませんし、もしご都合良ければ、加賀象嵌の制作体験に参加することも可能です。気軽に加賀象嵌に見て触れて頂きたいです。

 

ーー加賀象嵌を気軽に体験できるのは嬉しいですね。今日は長時間のインタビュー取材を引き受けてくださり、本当にありがとうございました。

 

(聞き手・工藤拓哉)

 

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加賀象嵌の魅力を引き出す取り組み。

 

 

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坂井 天心さん
金沢市出身。4年前に約20年勤めた愛知県内の会社を辞め、故郷の伝統工芸を継ぐ。現在は、加賀象嵌作家として、金沢市大手町にある「ギャラリーセーブル」で作品・商品の制作に励む。

 

ギャラリーセーブル
〒920-0912
石川県金沢市大手町7-29
TEL 090-1569-5972
営業時間 10:00~18:00
(企画展開催時は変更)
定休日 火曜日
駐車場 3台
ホームページ http://www.gallerysable.jp

〝いま聞きたい人〟『アットマーク国際高等学校 教諭 田村由佳さん』【完全版】

2017/01/02

今回の〝いま聞きたい人〟は、アットマーク国際高等学校教諭、田村由佳さんです。

 

アットマーク国際高等学校は通信制の高等学校として、平成16年9月末に開校しました。現在、金沢中央キャンパスの他に、東京都に品川キャンパス、拝島キャンパスがあります。金沢中央キャンパスは、金沢駅から徒歩約15分、多くの観光客で賑わう金沢市の中心部に位置しています。

 

今回のインタビューを通して、アットマーク国際高等学校の特徴や魅力、田村先生御自身に関して興味深いお話を伺うことができました。

 

 

ーーアットマーク国際高等学校とは、どんな学校ですか?

 

 田村先生  さまざまな色をまとった生徒が集まり、それらの色をお互いに認め合い、心地よく過ごせる学校です。このアットマークという温かい土壌で、生徒一人一人が成長し、さまざまな色の花を咲かすことができるように、教職員全員が生徒目線に立って、丁寧にサポートしています。

 

ーーそうなんですね。生徒さんにとって、温かい雰囲気の中で、一人一人の目線に立ってサポートして頂けることは、本当に心強いと思います。

 

田村先生  本当に様々な生徒さんがいらっしゃいますが、一人一人の気持ちに寄り添い、丁寧に話を聴くことを第一に心がけています。

 

ーーアットマークに来られる生徒さんについて教えて頂けますか?

 

田村先生  様々な事情が原因で、全日制高校で自分の力を発揮できなかったり、多くの制約の下にストレスを感じて苦しんでいた生徒さん達が、新しい居場所を求めてアットマークにやって来ることが多いように感じます。

 

ーー中学時代や高校時代に、不登校だった生徒さん達も多くいらっしゃると思いますが、生徒全員がアットマーク高校を卒業されていくのでしょうか?

 

田村先生  特別な事情がない限りは、ほとんど全員が卒業しています。例えば、過去にどうしても調子が悪くなってしまい、休学された生徒さんはいらっしゃいましたが、その後復帰して卒業していきました。

 

ーーそうなんですね、それは安心です!

 

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ーー全日制高校の場合、出席日数やテストの成績が進級や卒業の評価基準になりますが、アットマークでは進級や卒業をするために、何をする必要がありますか?

 

田村先生  義務的な登校(出席)は、年に3日と国内最少です。その他に、インターネットでの授業視聴やレポート提出があります。

 

ーー年に3日の出席というのは、不登校だった生徒さんにとって負担が少ないです。主に自宅で勉強したい方には非常に嬉しいですね。

 

田村先生  そうだと思います。あと、付け加えて言うならば、それぞれの履修科目ごとに「いかに自分がよく学んだか」を学習成果物として表す、『ポートフォリオ学習・評価』を取り入れています。

 

ーー『ポートフォリオ学習・評価』について、具体例をあげて説明して頂けますか?

 

田村先生  例えば、調べ学習が得意な生徒は、課題レポートを書き上げます。また、創作活動が得意な生徒は、作品や制作物を創ります。あるいは、大学進学を考え、学力を追求したい生徒は、模擬試験や英検・漢検などの検定試験を受験するということも、立派な学習成果物になります。

 

ーーとても興味深いです。全日制高校であれば、定期テストの成績と出席日数が共通の評価基準になると思います。一方で、アットマークは、生徒それぞれの得意分野や興味のあることを大切にして、生徒の意欲を引き出し、それを評価しているんですね。

 

田村先生  はい。校長の日野は、アットマーク高校を創立する前に、アメリカの通信制高校を何度も繰り返し視察に訪れたそうです。そこで、『ポートフォリオ学習・評価』を取り入れた学校を見て、その素晴らしさに強烈な印象を受けたことがきっかけになっています。

 

ーーそのような経緯があったんですね。確かに、そのような学習評価を取り入れている点からも、先ほど田村先生が言われたように、生徒それぞれの色を、学校全体で認め合っていると感じます。

 

田村先生  ありがとうございます。

 

ーー次に、学校行事に関して伺いたいです。修学旅行はあるのですか?

 

田村先生  年に一度の研修旅行を実施しています。一泊二日の短い旅行ですが、コンパクトな旅行なので参加しやすいと思います。宿泊も個室なので、旅行中も一人の時間を確保できます。あと、研修旅行は強制ではありません。行きたい人だけが参加する形です。

 

 ーー確かに、一泊二日の短い旅行ならば、毎年気軽に参加できそうです。ちなみに、今年はどこへ行かれましたか?

 

田村先生  今年は、岐阜・名古屋へ行ってきました。過去には、奈良や神戸、京都や大阪などの関西地方にも行きました。自然や歴史、文化に触れ合うことを目的に行き先を選定しています。

 

 ーー他には、どんな行事がありますか?

 

田村先生  最近でいえば、このキャンパス内で、生徒主催のゲーム大会が数回おこなわれました。とても盛り上がりました。

 

 ーーゲームというのは、どんな種類のゲームですか?

 

田村先生  最近はカードゲームをしました。ゲームを通して、みんなでワイワイ言い合えるので、会話しやすい雰囲気になります。

 

ーーアナログゲームの良い所ですね。ゲームをしながら会話も弾んで、ゲーム大会終了後は、もっと仲良くなれそうです。近年、一人でスマホに触れる時間が長くなりがちですし、こうした時間の過ごし方は本当に貴重です。

 

田村先生  そうだと思います。カードゲームなどには、テレビ・スマホゲームとは全く違う良さがあります。それらをもっと活用していきたいですね。

 

ーー 次に、田村先生ご自身について伺いたいです。お休みの日は、どんなことをされていますか?

 

田村先生  子供とお出かけをしたり、読書をしながら家でのんびりすることが多いです。家の周辺を散歩するのも好きです。

 

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ーー現在、アットマーク高校で指導されていますが、なぜ「教える仕事」に就かれたのですか?

 

田村先生  学生時代、私の家庭環境があまり良くなかったこともあり、学校という場所が大好きでした。先生が勉強を教えてくれたり、友達とおしゃべりできる学校が、私にとって非常に居心地の良い空間だったんです。

 

ーー学生時代の田村先生が、自分らしく過ごせる場所が「学校」だったのですね。

 

田村先生  はい。自分らしく過ごせる場所で働きたいと思いました。現在、このアットマーク高校で教師として、教えることに加えて、多くの生徒たちと話す時間を楽しんでいます。もちろん、「こんな時、どうすれば良いのか?」と悩んだりすることもあります。それでも、年を重ねるにつれて多くの経験をして、「この仕事を選んで良かった」と思えるようになりました。

 

ーー高校生にとって、気軽に雑談をしたり、悩みを相談しやすい田村先生が学校にいることは、本当に心強いですね。特に、不登校だった生徒さんも通うアットマーク高校にとっては、なくてはならない存在だと思います。

 

田村先生  ありがとうございます。

 

ーー今までに指導された中で、嬉しかったことや印象に残ったことを教えて頂けますか?

 

田村先生  一つは、暗い顔で登校してきた生徒に話しかけて、少し雑談しただけなのに、明るい表情に変わった時は本当に嬉しく思いました。

 

ーーそういう細やかな気配りができる先生がいると、生徒たちも快適に勉強できますし、親御さんも安心だと思います。他にはありますか?

 

田村先生  生徒一人一人の能力です。「こんなに凄いことができるのか!こんなにエネルギーがあるのか!」と驚かされる瞬間があります。

 

ーー実は、生徒一人一人に眠っていた能力があったのですね。アットマーク高校だからこそ、開く花があるということでしょう。

 

田村先生  そうだと嬉しいです。それに気付くことができて、大変幸せに感じます。

 

ーーふだん、生徒さんと接する時に、特に気を付けていらっしゃることはありますか?

 
田村先生  特別に生徒の時だけでなく、接する全ての人に対して、まずは「相手を肯定するところから始めよう」という信条で接しています。

 

ーー「相手を肯定する」というのは、つまり「相手の意見や存在を大切にする、尊重する」ということですか?

 

田村先生  その通りです。アットマーク高校に入学するまでの過程で、自信をなくしている生徒も少なからずいます。当然、自分自身を否定したり、多くのストレスを感じている場合があります。そのような生徒と会話をする時、「頑張れ!」や「乗り越えろ!」だけを伝えても、なかなか心に響きません。まずは、「そのままでいいんだよ」と肯定するようにしています。

 

ーー先生に肯定してもらえることで、とても嬉しいでしょうし、安心するでしょう。そこから、新たな意欲が生まれてくると思います。

 

田村先生  そうですね。もちろん、元気でエネルギーあふれる生徒には「頑張ってね!」も伝えたり、発破をかけたりすることで、さらに意欲が高まると思います。生徒それぞれの表情などで状態を見極めて、その時にふさわしい言葉がけをしたいです。

 

ーーこの仕事をされていて、どんな時にやりがいを感じますか?

 

田村先生  生徒が本気の悩みや主張をぶつけてくれて、一人の人間として互いに語り合える時です。あとは、生徒から「先生に話をしたらスッキリした」と言われた時です。

 

ーーそんなふうに大切な話をしてくれるのは、生徒から必要とされ、信頼されているからだと思います。非常にありがたいですね。

 

田村先生  はい、本当に嬉しいですし、やりがいを感じます。

 

ーー最後になりますが、アットマーク高校に関心を持たれている生徒や親御さんに向けて、メッセージをお願いします。

 

田村先生  もし、生徒さんが、ほんの少しでもアットマークに興味を持たれているならば、ぜひ一度見学にいらっしゃってください。全日制高校で自分の力が発揮できていないように感じたり、新しい学び場を探しておられる方に、ぜひお会いしたいです。アットマークは、それぞれの都合や希望に合わせて、どんな形でも受け入れ可能です。ここでしか会うことができない仲間や先生と多くのことを共有し、ともに成長していきましょう。よろしくお願いします。

 

ーー今日は長い時間を頂き、本当にありがとうございました。

 

(聞き手・工藤拓哉)
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インタビューにご協力頂いた田村由佳 先生

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