活動報告

今、不登校をふりかえって〜子供の視点と親の視点〜❺

2016/04/10

ーーよく親御さんから、「うちの子は、もう一年以上も学校を休んでいます。もう十分休んでいるはずなのに学校に行けません。こんな状態がいつまで続くのでしょうか?」という内容の質問を受けます。どう思われますか?

 

中野さん母   以前の私も同じ気持ちでした。学校に復帰するためには、子供が心身ともに休養して心が回復する必要があると言われています。まず確認したいのは、「子供が安心して休養できている」状態かどうかです。「親自身だけが子供を学校に復帰させたい意思があり、そのために休養させているなら、子供は安心して休養できない」状態だと思います。

 

ーー「長い間学校を休んでいても、子供が安心して休養できておらず、心の回復が進んでいない」ことに、親は気付いていないということですね。

 

中野さん母   そうです。先ほども触れましたが、うちの場合は休学中だった高校をやめて、完全に学校と離れた時に初めて休養できる環境になりました。その時に初めて、「学校に復帰してもらうために休ませていた」という私の気持ちが強かったことに気付きました。同時に、「学校に復帰させたい気持ちが子供に伝わり、今まで子供は安心して休もうにも休めなかったのではないか」とも思いました。

 

ーー「学校を休んでいいよ」と言葉だけ伝えても、気持ちも含めて寄り添っていなければ、子供は十分に休めないということですね。

 

中野さん母   その通りです。

 

ーー「子供の気持ちに寄り添う」と言いますが、具体的にどういう姿勢が必要だと思われますか?

 

中野さん母   第一に、学校に通えず辛い思いをしているのは子供です。つまり、不登校は「子供の問題」です。だから、まず親が子供のためにできることは、「そんなに辛い思いをしてたんだね。今まで辛かったね」と、子供の気持ちに寄り添い、心の回復を進めることなんです。では、「親の問題」は何かというと、子供が不登校になることで発生するであろう、さまざまな不利益を想像し不安になることです。勉強が遅れる、社会性が身につかない、世間体が気になるなどです。

 

ーーまず、「子供の問題」と「親の問題」を区別するんですね。区別できているようで区別できていないのかもしれません。

 

中野さん母   はい。親と子供の問題をごっちゃにしてしまうと、「(子供のためにというよりも、親の焦りを解消するために)早く学校へ復帰して欲しい」となり、質問のように「いつまで家で休んでいるの?」とつい言いたくなります。その時はすでに、子供の気持ちに寄り添えていない現実があり、子供は休養できず心の回復が進みません。

 

ーー子供の問題を親の問題としてとらえてしまうと、親は自分の気持ちを優先しがちになります。そうなると、思い通りにならない子供の状態にイライラしてしまいやすくなりますね。

 

中野さん母   最優先すべきは、親の気持ちではなく、子供が安心して休養できる環境を作ることです。ましてや、無理やり学校へ連れていったり、学校へ行くように圧力をかけることは長い目で見ると逆効果です。

 

ーー子供の立場から考えると、「これ以上学校に行きたくない」と思っても、親から「この状況から逃げるな。ここで逃げたらどこに行っても同じだぞ。乗り越えることで成長するんだ」と言われたり、今までそう言われて育った背景があると、「他の選択肢を探すことは逃げることで、恥ずかしいことなんだ」と考えてしまいます。当然「行きたくない」と言いたくても、言うことはできなくなります。そうなると、逃げ場がなくなり本当に辛いと思います。

 

中野さん母   そうなんです。親の姿勢が変われば、子供は安心して休めるので心の回復が早くなります。また、今の学校にこだわらなくなり、子供自身が違う選択肢を考えやすくなります。一方で、親は今まで子供について考えていた時間を、自分のために使うことができます。その結果、親がのびのびと自分らしく生きることができるようになります。その姿をきっと子供は見ているので、自然に子供も変わっていきます。

 

ーーところで、「親の問題」はどのように解決されましたか?

 

中野さん母   私の場合、親の会で話を聞いてもらうことで、不安をある程度は解消することができました。その親の会には、月に一度参加していましたが、最初の頃はその間隔では間に合わず、毎週誰かに聴いてもらわないと苦しい状態でした。親の問題が解消されないと親が苦しくなり、子供に寄り添うことも難しくなります。親の気持ちを聴いてもらう場所を見つけることは大切だと思います。

 

ーー「話す」は「放す」と言います。日頃の親の蓄積した思いを「放す」場所を見つけることが、子供の気持ちに寄り添うために大切だと改めて実感しました。

 

中野さん母   はい。親自身が生き生きと、自分の人生を楽しみ出すと、この種の質問は自然に頭の中から消えてしまうと思います。

 

 

次回へ続く。

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